第2部
原作編
1話
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ックさんは周囲に気を配る方でした。反面、悲観的になってしまうことをご本人も気にしていましたが・・・・・・」
同じことを思っていました。
「彼が予定していたサーヴァントは魔術師。魔力量の少ない彼は、燃費の悪い戦闘用サーヴァントを避けたがっていた」
カドックさんは零士さんと気があっていましたし、零士さんから教えられてることもありました。
「次。スカンジナビア・ペペロンチーノ。もう一度言うぞ。スカンジナビア・ペペロンチーノ。国籍不明。間違いなく名前も偽名。マリスビリーが旅先で知り合い、スカウトしたフリーの魔術師だ。気さくでひょうきん、いつもジョークを口にしてはAチームの空気を温めていた。Aチームでは最年長でね・・・・・・ちょっと、生まれる時代を間違えた男だよ。予定していたサーヴァントは弓兵。イタリア系の風貌だったが、妙に仏教に詳しい男だった。当然、インド神話にもとても強かった。『何度も滅びては繰り返す神話観が好きだ』とも」
ペペロンチーノさんは面白い人物だったのを覚えています。よくAチームを和ませてくれました。
「芥ヒナコ。時計塔では魔女学として知られる植物科の出身。カルデアの技術者だったが、その才能を見抜かれてマスター候補にされてしまった。日がな一日、物陰で本を読んでいるのが幸せ、という女性だったんだけどね。でも、彼女には確かに妙なオーラがあった。ロマニも健康診断を受けてくれない、と拗ねていたっけ。予定していたサーヴァントは騎兵。何でも、本人の強い希望だったらしい」
芥さんはよく図書室で読書していましたね。零士さんも図書室で読書していました。
「そして・・・・・・ベリル・ガット。この人物については――」
「・・・・・・」
私もベリルさんについては話したくありません。零士さんはよく接しましたねと思うぐらいです。
「まあ、一人ぐらいは名前だけで済ませるマスターがいてもいいだろう! 次に行こう!」
ダ・ヴィンチちゃん!? 無理矢理感があります!?
「最後に二人は・・・・・・ああ、彼か。デイビット・ゼム・ヴォイド。天才が集まったAチームの中の、唯一の不明点・・・・・・というか、危険人物・・・・・・というか。魔術協会での専攻は伝承科。伝承科は時計塔設立時から最も『生徒の少ない』科目・・・・・・この世ならざる遺物を扱う、学長直属の異端学問でね。そこから追放された人物だ。マリスビリーは彼の能力を高く買っていた。私も、デイビットは稀な青年だと思う。この私が他の天才を認めたのは生前でも一人か二人といったところだけど。デイビットはその類の異常者だ。彼は誰も理解しようとしないし、彼が理解されることはない。予定していたサーヴ
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