第三百二十八話 今から見ると
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第三百二十八話 今から見ると
日本は蝶々夫人についてイタリアに言いました。
「蝶々さんは素晴らしい人ですが」
「黄金の精神の持ち主って言ってもいいね」
イタリアも応えます。
「プッチーニさんのヒロインだよ」
「あの人のヒロインはそうした方が多いですね」
「うん、ラ＝ボエームのミミも西部の娘のミニーもトゥーランドットのリューもね」
「そしてトスカのタイトルロールも」
「その中でも蝶々さんは特にだね」
「ですが相手役の人は」
ピンカートン中尉はといいますと。
「どうも」
「今だったら最低の人だね」
「そうですね」
「多分ね、お子さん引き取ったけれど」
「家庭は凄く暗いものになりますね」
「奥さんとの間もね」
イタリアも思うことでした。
「凄く暗くて」
「罪の意識に苛まれて」
「そうした家庭になってるよ」
蝶々さんが死んだ後のピンカートン家はというのです、イタリアも日本も物語の後どうなったのかと思うと悲しくなりました。
第三百二十八話 完
２０２０・２・２２
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