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第百三十四話 mein schwester(我が姉)
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ナがポツリと言った。彼女はとなりの革張りのカウチを黙りこんでひと撫でした。

「わかった。・・・時間もないから始めるわよ」

 前線に進出して生き残ってここに参加している主なメンバーは、アレーナ・フォン・ランディール、エレイン・アストレイア、ティアナ・フォン・ローメルド、シアーナ・ルクレール、ティルジット・クレイシスくらいである。

「その前に、黙とう、かな」

 誰ともなしにつぶやいたのだったが、皆立ち上がって胸に手を当てて瞑目した。それが彼女たち流の黙とうの所作だった。
 1分ほどそうしていたが、皆同時に眼を開けると、それぞれの席に着いた。

「私はイルーナじゃないから、私なりのやり方で進めさせてもらうけれど、まぁ、シャロンに正面から堂々と挑んだのは失敗だったわね」
「失敗!?失敗なんて言葉で良く片付けられますね!!」

 灰色の髪をウェーヴさせた黒い可憐な瞳を持つ若い女性が早速抗議した。シアーナ・ルクレール少将だった。彼女はフィオーナの教え子であり、今回の戦役においてフィオーナ艦隊の一部を指揮したが、散々な苦戦を強いられてきた。

「教官は参謀総長のご遺体の部屋にずっとこもっておられます!!ヴァンクラフト主席聖将・・・参謀総長があんなことになって、まるで抜け殻です!!」
「シアーナ落ち着いて。今は閣下を責めてもしょうがないでしょう?」

 黄色の髪をうなじでまとめ、緑色の縁の眼鏡をかけた理知的な女性が制する。
 シアーナと共に分艦隊を率いて戦ったティルジット・クレイシス少将だった。ストンとシアーナが椅子に座ったのを見届けると、

「閣下、開口一番そうおっしゃるからには御対策があるのですね?」
「もちろん。そしてこれは私とイルーナの責任だわ。まぁ、生き残った私が責めを負うべきかな。私たちはそもそも論としてシャロンの言葉に踊らされていたわけ」
『???』

 一同顔を見合わせる。ティアナだけはアレーナを正面から見据えていたが。

「考えてみれば、シャロンをピンポイントで消しさえすればよかったってこと。シャロンがいなくなれば、本来の私たちの作戦通りに事を進めて自由惑星同盟を攻略しにかかったはずよ。そうなれば、あのヴァーミリオンが自由惑星同盟との文字通りの最後の決戦で終わっていたはずなのだし」
「・・・・・・・」
「それを、シャロン=自由惑星同盟と錯覚してしまったのよね。シャロンと自由惑星同盟とを切り離して考えられなかったのは・・・あのクソ女の話術のせいよ。いつの間にか自由惑星同盟を倒すには、まずシャロンを斃さなくてはならない、ではなく、シャロンを斃すためにはまず自由惑星同盟を片付けなくてはならない、に置き換わっていたわけよ」
「過去の分析はもういいわ。今後の方策を聞きたいものね」

 ティアナ
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