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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十三話 大敗北
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!」
涙を流しながら、大きな声で泣きながら、フィオーナはただひたすらガラスケースに取りすがっていた。
ひそやかな空気に悲しい嗚咽が響き渡った。
「・・・・・・・・」
青い長い髪の人物は物陰からフィオーナの姿を見守っていたが、足音を殺して気配一つ気づかせず、そっと出ていった。
* * * * *
ラインハルトとキルヒアイスはイゼルローン要塞のラインハルトの自室で向かい合っている。ガラス製のテーブルの上には何もない。
「ラインハルト様」
「言うな」
ラインハルトはキルヒアイスを制した。
「それでも一言言わせてください。・・・・申し訳ございませんでした」
「何故お前が謝る。艦隊を率いて出撃させたのは他ならぬ俺だ。一歩間違えればお前が戦死していたかもしれない」
「それでも、私はイルーナ様を救うことができませんでした。ラインハルト様をお守りすることができませんでした」
「・・・違う。姉上は、イルーナ姉上は文字通り俺を、俺たちを守り切ったのだ。己の命を捨ててな・・・・」
ラインハルトの脳裏には、強烈な閃光、眼を開けると、エネルギーの奔流を彼女の緑色のオーラが遮断している光景、そして直後のワープアウトがまざまざと思い返された。どういうわけか、あの赤い禍々しいエネルギーと緑色のオーラがぶつかり合った結果、一種の反作用が生じ、ラインハルトたちは艦ごと飛ばされてしまったのだ。イゼルローン方面へと。
すべての艦隊が助かったわけではない。12万余隻あったラインハルト本隊の生還数は1万隻にも満たなかった。
ほかに派遣していた各艦隊も帰ってきていたが、一部を除いてどの艦隊も打ちのめされていた。
キルヒアイス艦隊にしても敗残の味方を収容しながら3割を失いながらの到着である。ティアナ、ミッターマイヤー艦隊が無傷に近いのは奇跡と言っていい。
今現状イゼルローン要塞に集結している艦艇で出撃可能な艦艇総数はギリギリ10万余隻と言うところ。これで出撃すればひとたまりもなく潰される。
だが、他の要素もある。それは――。
「キルヒアイス、お前に以前話をしただろう。自由惑星同盟の変わった軍人の話を」
「ヤン・・・ウェンリーという男ですか?」
「そうだ。そいつが土壇場というところで、コーデリア・シンフォニー中将とやらと組んで私を助けに来た」
あの通信は忘れられない、とラインハルトは思う。奔流が来る少し前に、ヤン・ウェンリーから通信が入ったのだ。
* * * * *
ヤン・ウェンリーから通信が入っている。その報告を聞いたラインハルトはすぐに回線をつなげと指示した。ヤン・ウェンリーという名前はどこか聞き覚えがあった。そしてそれはディスプレイ上に現れた姿を見て確信に変わった。
『閣下、これよ
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