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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十三話 大敗北
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ちてしまうのではないかとラインハルトは思ったほどだった。端正な口元が半開きになり、眼は呆然として自分を虚ろに見つめている。

「フロイレイン・フィオーナ・・・!!」

 食いしばるような声が聞こえた。ラインハルトが凄まじい形相でこちらを見つめていた。怒り、悲しみ、後悔、懺悔、悔恨、謝罪、などがいっしょくたに表情に出てきてしまっていて訳が分からなくなっているのだろう。

「私を、撃て。それで気が済むのなら何度でも、撃て。撃ってくれ・・・!!」
「いいえ・・・・いいえ・・・・・!!」

 フィオーナはそれきり何も覚えていない。気を失ってしまったからだ。

* * * * *
 イゼルローン要塞には散り散りバラバラに艦艇が入ってくる。それを迎え入れる顔色は暗かった。

 何しろ生きて帰ってきたのは全軍の5分の1程度だったからだ。

 シャロンの砲撃で消滅したと思われていた艦隊は生きていた。転生者たちが全力でオーラを展開し、エネルギーとエネルギーがぶつかり合った結果、予期せぬ時空のゆがみが生じ、生じた。それがワープと同じ現象を生み出し、さらに偶然にもイゼルローン回廊入り口にまでワープできたのだ。

 これは何かの加護か、奇跡としか言いようがないと生き残った者たちは言い合ったものだった。

だが、そこにも敵軍が展開していた。アンジェの指揮により幾重にも張り巡らされた罠の最後の一つがそこにあった。当然敵軍は砲撃してきたが、ここに援軍が到着する。

 キルヒアイス艦隊だった。

 キルヒアイス艦隊はヴァーミリオン星域に急行しようとしたが、既に大勢は決まっており、敵味方の影も形も見えなかった。そこで敗残の兵力を吸収しながらイゼルローン要塞に急行したのである。
 ワープアウトとキルヒアイス艦隊の到着が重なり合ったのは偶然か必然か。それはわからないが、ともかくもキルヒアイス艦隊の10万余隻の奮闘のおかげで窮地を脱することができた。

 最後に帰還したのはミッターマイヤー艦隊とティアナ艦隊、そしてアレーナ艦隊である。ミッターマイヤー、ティアナ両軍とも損害はほとんどなかったが、散々な状況だった。エネルギーを節約し、それでいて快速を保ちつつ、敵の接触を避け、あわやと言うところで近くに派遣されていたアレーナ艦隊と合流し、どうにか帰ってきたのである。
 アイゼナッハ艦隊、ワーレン艦隊の行方は分からない。ウルヴァシーに駐留しているロワール・ルークレティアの行方も分からない。その他の各星系に分派させていた艦隊の行方も分からない。未だその姿を見ていないのだ。
 また、殿をしたバーバラの行方も分からない。

 ロイエンタールの戦死を聞いたミッターマイヤー、そしてティアナの顔色は蒼白になり、二人は自室に引きこもってしまった。


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