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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十三話 大敗北
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「・・・・・はい」
「ローエングラム公は、どうなったか、わかりますか・・・・?」
「今、私たちはイゼルローン回廊にかろうじて撤退できました。・・・・ほかの艦隊の様子は分りません・・・・。ですが・・・・」
「・・・・・・?」
「ローエングラム公とキルヒアイス提督はイゼルローン要塞に入られています」
「良かった・・・・・」

 フィオーナはほっと一息つき、そのまま意識を失った。

* * * * *
 次にフィオーナが目を覚ました時、彼女の身体は治療室のベッドに寝かされていた。顔を傾けると、見覚えのある人物の横顔が眼に入った。その人物は彼女の視線に気が付くと、その顔を向けた。

「フロイレイン・フィオーナ・・・・・」
「ラインハルト・・・・ローエングラム公・・・・・・?」

 絞り出すような声を聴いたとき、ラインハルトが発したのとは思えないとフィオーナは思った。それほど覇気がなく、憔悴したものだった。右腕を包帯でつり、顔にもいくつかガーゼが貼られている。

「ローエングラム公、ご無事で何よりでした」
「・・・・・・・」
「お怪我をなさっているではありませんか、早く治療を――」
「いい」
「え?」
「私の怪我などよりも卿に言わねばならないことがある」
「・・・・・・・」

 そう言ったが、ラインハルトが黙り込んでいるので、フィオーナは口を出しづらかった。

「負けたのですね?」
 
 意を決してそういうと、ラインハルトがうなずいた。

「負けた。ケンプが死んだ。ロイエンタールもだ。メックリンガー、ミュラーは重傷を負ったが生きている。ビッテンフェルト、エーバルトの生死は不明だ。フロイレイン・ルグニカも死んだ。そして・・・・・」

 ラインハルトの喉が鳴った。

「フロイレイン・アレットも――」

 あ、とフィオーナが声を上げた。ジェニファーの最後と同じ絵図が浮かんだ。

「敵の攻撃を庇おうと旗艦ごと敵に体当たりをした。あの時と同じだ。私は守られるばかりで守ることもできなかった」
「アレットも閣下の代わりになれて満足だったでしょう。それこそが教官の・・・いえ、参謀総長のご指示だったのですから。・・・・閣下?」

 参謀総長と聞いて、ラインハルトが肩を震わせたのが見えた。

「どうしたのですか?そういえば、参謀総長はどうされましたか?」
「・・・・・・・・」
「あの、教官は――」

 ラインハルトの表情は前髪に隠れて見えない。

「死んだ」
「え?」
「死んだ」
「・・・あの、今なんと――」
「何度も言わせるな・・・!!イルーナ姉上は、死んだのだ・・・・!!!!」

 フィオーナ・フォン・エリーセルが蒼白な顔になりながら胸に手を当てていた。その場で崩れ落
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