前編
[4/7]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
・etc、突拍子もない話ばかりであったが、それは桐条の秘密に触れる大きなチャンスに思えた。父の事件は必ずこの秘密と関係がある、そんな予感がした。それは ゆかり にとって、人間の敵であるシャドウよりも重要なことだった。
メンバーの中心は、桐条家の一人娘である美鶴だった。桐条グループの秘密に近づくには格好の人物だ。しかし美鶴が厳格でスキの無い性格だったことに加えて、こちらに下心があることが引け目となり、二人の仲はなかなかしっくりいかず距離は縮まらなかった。
そんな時期に入ってきた新メンバーが彼だった。
初戦でその力を見せつけた彼は、理事長や先輩達の信頼も勝ち取り、いきなりリーダーとして抜擢された。順平は嫉妬してわめいたし、ゆかり も自分自身の力の無さが悔しかった。
それでも彼には、否と言わさないだけの実力があった。
第二の大型シャドウとの闘いをリードして、モノレール衝突事故を防いだ手際の良さ。
風花の救出作戦においては、第三・第四の大型シャドウとの戦いで ゆかり と美鶴がピンチに陥ったのだが、彼が駆けつけて助けてくれた。(まあ、真田さんと順平もいたけど・・・)
いつも「どうでもいい」なんて、やる気のないこと言ってるくせに、おいしいところは全部持って行ってしまう。
(大体、学期末のテストも学年トップだったし、完璧超人かっ・・・つーの。)
悔しい。悔しいけど、認めざるを得ない。
彼は凄い!
さて、調べてみると映画はまだ上映中だったのだが、3週目に入って1日1回のレイトショーのみとなっていた。
やはり新宿が最寄の上映館となる。
「どうする?」
彼の問いに「もし良かったらそれでも行きたい。」と答える。
こうなったら、このせっかくのチャンスを逃せるものか。
すかさず頭の中でデートスケジュールを組み立てる。
(上映は夜8時からだから、早めに劇場に行って、まずチケットを買い席を確保。それからどこか雰囲気のいい店で夕食を一緒に食べる。時間に余裕があれば、食事の前にショッピングとかもしたりして・・・。一緒に服を選んでもらうとか・・・。いろいろ試着してみせて、「これ似合うかな〜」とか聞いてみたりして・・・)
(うーん、楽しそう!!!)
(あー・・・でも、もう今月はお財布がさみしい。やっぱり映画と夕食で打ち止めだー。)
(映画が終わるのは夜10時過ぎ・・・さすがに高校生だから、その後どこかに行くという可能性も無いか・・・。)
そういえば・・・と、彼と一緒にラブホテルに入った時の事を思い出す。
と言っても、二人っきりではなくてメンバー全員で、しかも大型シャドウ殲滅が目的だったのだが・・・。それでも初めてそういう雰囲気のホテルに足を踏み入れて、どうにも落ち着かない気分だった。
しかもその時は、シャドウの幻惑攻撃のせいで正気を失い、いつ
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ