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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
揺籃編
第六話 パランティア星域の遭遇戦(中)
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うやって白い目で見られるって訳さ…ところで、小耳に挟んだんだが…」
「なんだ、勿体つけるなよ」
「…増援は来ないらしいぞ。参謀連中が話しているのを聞いたんだ」
「本当かよ」
「ああ、それだけだ…皆さん、失礼しました〜」
マイクはキョロキョロしながら去っていった。戦闘配備中の艦橋の様子が珍しいようだ。マイクが去って行くと、ガットマン中尉が駆け寄って来た。

 「彼は知り合いか?」
「はい、同期です。ちょっと遠慮の無い奴でして…申し訳ありません」
「それはいいんだが、何かあったのか?」
「ええ、ちょっと。巡察中に聞こえて来た話らしいのですが…増援が来ない様なのです」
「確かなのか?」
「参謀の方達がそう話していた、と言っていました」
俺の話を聞いたガットマン中尉は、第1艦橋に走り出した。
「坊や、主任に何を言ったんだ?」
バーンズ曹長がコーヒーを片手にニヤついている。俺がそれに答えようとしたら艦内放送が流れ出した。

『参謀および旗艦艦長集合、場所は士官室』



4月21日04:35 エル・ファシル警備艦隊第2分艦隊旗艦アウストラ、士官室 
セバスチャン・ドッジ

 士官室にはダウニー司令、私ほか司令部の参謀たち、旗艦艦長が集合した。
「集まって貰ったのは他でもない。我が艦隊の今後の方針を話し合う為だ。現状維持か、戦うか、退くか。忌憚のない意見具申を期待する」
ダウニー司令がそう言うと、まず口火を切ったのは、ウインズ少佐だった。
「撤退して本隊に合流すべきです。敵は二百四十、我が方は百五十。明白ではありませんか」
「戦ってもいないのにか」
艦長のパークス大佐が呆れた声を出した。パークス大佐は司令部要員ではないが、旗艦艦長であるためこの会議に参加している。
「そうです。本隊と合流してアスターテで待ち受けるのです」
「君の意見を実行した場合、敵が本隊と合流する機会を与える事になる。我々は撤退しているから、合流後の敵の規模が分からないままアスターテで待ち受ける事になる。事は明白ではなくなってしまう。まずくはないかね?」
「それは…」
パークス大佐の指摘に、ウインズ少佐は黙りこんでしまった。 
「艦長。君ならどうする??」
「司令の命令を実行するのみであります」
「主任参謀、君はどう思う?」
「撤退を進言する事には変わりありませんが、元々の任務は牽制でありますから、撤退する、という事を感知されないようにせねばならないと思います。敵がこの星系での合流を企図していたとして、合流後の敵戦力の規模を見極めた後の撤退でも問題はないように思います」
「そうだな。では、どう牽制するか、だが…」



788年4月21日04:40 エル・ファシル警備艦隊第2分艦隊旗艦アウストラ、第3艦橋 
ヤマト・
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