10話
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少女が話す内容が一致した。
「私、先祖返りの吸血鬼・・・すごい力持ってる・・・だから国の皆のために頑張った。でも・・・ある日・・・家臣の皆・・・お前はもう必要ないって・・・おじ様・・・これからは自分が王だって・・・私・・・それでもよかった・・・でも、私、すごい力あるから危険だって・・・殺せないから・・・封印するって・・・それで、ここに・・・」
「吸血鬼って・・・俺んとこのヴァンプと同じかよ」
(まあ、彼奴はついでとして、『悪魔の実』で吸血能力を高めたそうだが・・・)
ギンは自分の仲間のヴァンプの種族を思い出す。
だが、気になるところが多いというのはハジメと同じだった。
「お前、どっかの国の王族だったのか?」
「・・・ん」
「殺せないってなんだ?」
「・・・勝手に治る。怪我しても直ぐ治る。首落とされてもその内に治る」
「・・・そ、そいつは凄まじいな・・・すごい力ってそれか?」
「これもだけど・・・魔力、直接操れる・・・陣もいらない」
それを聞いてたギンは
「すら恐ろしい能力だな・・・しかも、魔力が扱えるのか・・・」
(年齢はおそらく、巨人族並だな)
話を聞いてたギンは少女に関して思ったことは――、
「明らかにあのバカよりもチートじゃねぇか」
彼が言ってるバカというの勇者(笑)のことである。
「お願い・・・助けて・・・」
再び助けを求める少女。
「此ばっかりは助けてやろう。もしかしたら、色々と役に立つかもしれないぞ」
ギンの言葉を聞いてハジメはガリガリと頭を掻き溜息を吐きながら、女の子を捕える立方体に手を置いた。
「あっ」
女の子がその意味に気がついたのか大きく目を見開く。ハジメはそれを無視して錬成を始めた。
ハジメの魔物を喰ってから変質した赤黒い、いや濃い紅色の魔力が放電するように迸る。
しかし、イメージ通り変形するはずの立方体は、まるでハジメの魔力に抵抗するように錬成を弾いた。迷宮の上下の岩盤のようだ。だが、全く通じないわけではないらしい。少しずつ少しずつ侵食するようにハジメの魔力が立方体に迫っていく。
「結構、頑丈だな」
「ぐっ、確かに抵抗が強い! ・・・だが、今の俺なら!」
ギンはハジメが魔力を高めてるのを視て、推測する。
(おそらく、あの立方体自体を浸透させるのに、相当な魔力量を消費させてる。こんなの白崎たちでも無理だぞ)
推測してる中、ハジメは
「まだまだぁ!」
気合いを入れ直す。
しばらくして、錬成を成し遂げたハジメ。
そして、女の子の周りの立方体がドロッと融解したように流れ落ちていき、少しずつ彼女の枷を解いていく。
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