第67話
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…)―――ユーゲント陛下。ご恢復、心よりお祝い申し上げます。皇子殿下達もお知りになったらさぞお喜びになるでしょう。」
焦った表情でエヴリーヌに注意するアリサと表情を引き攣らせたクロウの指摘に疲れた表情で答えたアンゼリカは表情を引き締めてユーゲント三世に声をかけ、トワもアンゼリカに続くようにユーゲント三世に声をかけた。
「フフ…………この通り辛うじてだがな。―――眠っていた間に起きた事は”大方”、聞き及んでるつもりだ。ついに”黄昏”が起き、……単身メンフィルの元へと向かったアルフィンを見捨てた結果アルフィンがメンフィル側についたことも。連合との戦争―――いや全てを巻き込んだ”終わり”が始まりつつあることも。”総て”を知りながら混沌を受け入れ、若いそなたたちに苦難を強いてること―――エレボニア皇帝として謝らせてほしい。」
「あ。頭をお上げください……!って、知りながら……?」
「まさか、今の状況が起こることを前々から予想していたのかよ?」
頭を下げて謝罪するユーゲント三世の行動に驚いたトワは慌てた様子で指摘したがあることに気づき、クロウは真剣な表情で訊ねた。
「そうだ―――皇帝家に伝わる”黒の史書”によってな。」
「トマス教官の話にあったリィンが集めていたという古代遺物ですか。」
ユーゲント三世の話を聞いて血相を変えたガイウスはユーゲント三世に確認した。
「うむ――――――そこには”黄昏”に至る大凡のことが記されているのだ。エレボニアが歩んできた闇の歴史。騎神や暗黒竜にまつわる様々な事件。―――選ばれし者が”贄”となって”星杯”への道が開いてしまうこともな。」
「……すまなかった……オレがもっと強けりゃあ…………あんなことには……」
「アッシュ君……」
優し気な笑みを浮かべたユーゲント三世に視線を向けられたアッシュは辛そうな表情で謝罪し、その様子をアンゼリカは静かな表情で見守っていた。
「よいのだ、アッシュ。そなたには何の罪もない。全てはエレボニアの”呪い”に導かれたこと。その意味では私もそなたと同じであろう。―――大切なのは”この先”だ。ここまでは宰相や地精の長の見込み通り……だが史書に書かれていたのは”黄昏”が始まる時点までだ。ましてや史書には”百日戦役”の際にメンフィル―――異世界と繋がる事やクロスベルが共和国を呑み込んだ事も記されていなかった。この先は言うなれば”黒の史書にとっても想定外の紡がれていない物語”――――――ここからは彼らも読みきれていない”道”の筈だ。――――――内戦ではそなた達やアルフィンと共にその刃を振るってくれたギリアスの息子が目指している道やミルディーヌ公女が進めているという道も含めてな。」
「そこまでご存じでしたか……」
ユーゲント三世の話を聞いたアリサは真剣な表情で呟いた。そしてユーゲン
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