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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第67話
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を見つめた。

「取り合えず、病院を訊ねてダメ元でお見舞いができるか聞いてみませんか?」
「そうだね…………幸いクロスベルの”特異点”の最有力候補の場所はレン皇女殿下達から教えてもらっていて、探す手間は省けて時間は多少あるから、まずは病院に行ってみようか。」
そしてアリサの提案にトワは静かな表情で頷いた。その後カレイジャスを後にしたトワ達はバスで病院へと向かった。


〜ウルスラ病院〜

「さて、病院に着いたのはいいが……問題はどうやって、病院側も秘匿している可能性が高い皇帝の見舞いができるように頼むかだな。」
「た、確かに言われてみればクロスベルの戦争相手であるエレボニア皇帝が入院しているなんて事実、病院側でも限られた人達しか知らない可能性は高いでしょうね。」
「うん、それを考えると多分受付の人もユーゲント皇帝陛下がウルスラ病院に入院しているなんて事実は知らないと思う。せめて皇帝陛下の主治医か担当の看護師が誰かわかればいいんだけど…………」
病院の入口に到着したクロウは病院を見上げて苦笑しながら呟き、クロウの言葉を聞いたアリサは疲れた表情で答え、トワは真剣な表情で考え込んでいた。
「あら、もしかして貴方達が”Z組”の方達かしら?」
するとその時トワ達の背後から現れたセシルがトワ達に声をかけた。

「ど、どうして私達の事を……!?」
「フッ、貴女のような美しい女性に知ってもらえるなんて、私達も知らぬ内に有名になったものだね。」
「えっと………貴女は一体……」
セシルが自分たちの事を知っていることにアリサが驚いている中、アンゼリカは静かな笑みを浮かべ、アンゼリカの発言に仲間たちと共に脱力したトワは我に返ると真剣な表情でセシルに訊ねた。
「ふふっ、始めまして。看護主任のセシル・パリエ・ノイエスです。貴方たちのことはリウイさんやヴァイスさん達から聞いていたわ。」
「へ…………」
「おいおい…………何でただの看護師の姉ちゃんがエレボニアの戦争相手の国の皇帝達を”さん”づけで呼んでいやがるんだ?」
「……もしかしてセシルさんはメンフィル・クロスベル連合の上層部の関係者なのだろうか?」
セシルの口から出てきた驚愕の人物の名前にアリサは呆けた声を出し、アッシュは困惑し、ガイウスはエヴリーヌに訊ねた。

「ん。セシルはリウイお兄ちゃんの側妃の一人だよ。」
「ええっ!?リ、リウイ皇帝陛下の……!?」
「何でそんなとんでもない立場なのに、看護師をやってんだよ……!?」
エヴリーヌの答えを聞いたアリサは声を上げて驚き、クロウは困惑の表情でセシルを見つめた。
「フフ、ここではなんだし、落ち着いた所で話をしないかしら?」
困惑や驚きの表情で自分を見つめているトワ達の様子に苦笑したセシルは場所を変える提案をした。
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