暁 〜小説投稿サイト〜
ラブドライブ!〜女神の守り人〜
転生した彼らは何の為に生きるのか?
count,1 Let's Run Together
[4/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
果ちゃんが申し訳なさそうに俺のことを見て謝ってきた。


「大丈夫だよ、穂乃果ちゃん。海未ちゃん……聞きたいことがあるんだけど…良いかな?」
「聞きたいことですか?なんでしょう?」
「海未ちゃんはどうして剣道を?やっぱり強くなりたいから?」
「何故剣道を……ですか。確かに強くなりたいという思いはあります。でも、それ以上に負けたくないっていう思いがあります」
「負けたくない…?それって戦う相手にってこと?」


「いえ、自分にです」
「えっ…?」


 俺は海未ちゃんの言葉にキョトンとしてしまった。自分に負けたくない…?


「私は武道とは誰かを倒す為ではなく、己に勝つ為の物だと思うのです。昨日の自分に勝ち、大切な人を守ることができる力…。それが本当の強さだと思うのです」
「大切な人…?」
「ええ。お父様、お母様、お祖母様、お姉様…そして穂乃果、ことり…その他にも私には大切な人が沢山います。…それに……」


 海未ちゃんは顔を赤くして下を向いてモジモジしている。


「…タカユキさんも……私にとって…大切な人…ですから……!」
「俺も…?」
「そうだよ!タカユキ君は穂乃果達にとって大切な友達だよ??」


 穂乃果ちゃんが俺の目の前に来て手を差し伸べてきた。










 そうだ……。俺はあの時、ただ海未ちゃんのことを……そして彼女達の未来を守りたいと思って変身した。大切な人達を守る為に変身したんだ。他には何も考えてなかった。

 いや、考える必要がなかったんだ。大切な人達を守りたいって気持ちに理由なんかいらない。

 俺は余計な事を考えて自分に言い訳をしていただけだ。負けた恐怖から逃げ出す理由が欲しかっただけなんだ。


 もう逃げない。俺は穂乃果ちゃんの手を取った。


「ありがとう。なんか吹っ切れた気がする。みんなのおかげだよ。」
「本当!?」
「うん。考えるのはやめだ。ただ自分の想いに従って、俺は走る。例え何があっても……穂乃果ちゃんみたいに」
「いやぁ〜、照れますなぁ〜」
「穂乃果はもう少し考え深くいてもらいたいですが…」
「まあまあ海未ちゃん、今ここでそれを言うのは止めとこ」



「じゃあ、俺は行くよ」


 俺は立ち上がって拳をぎゅっと握った。


「行くって何処にですか?」


 海未ちゃんが首を傾げて聞いてきた。俺は決意を込めた目を3人に向けてその質問に答える……。



「泣いていた昨日までの自分に勝ちに行くんだ」












___________________________












「まさか…貴様の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ