転生した彼らは何の為に生きるのか?
count,1 Let's Run Together
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果ちゃんが申し訳なさそうに俺のことを見て謝ってきた。
「大丈夫だよ、穂乃果ちゃん。海未ちゃん……聞きたいことがあるんだけど…良いかな?」
「聞きたいことですか?なんでしょう?」
「海未ちゃんはどうして剣道を?やっぱり強くなりたいから?」
「何故剣道を……ですか。確かに強くなりたいという思いはあります。でも、それ以上に負けたくないっていう思いがあります」
「負けたくない…?それって戦う相手にってこと?」
「いえ、自分にです」
「えっ…?」
俺は海未ちゃんの言葉にキョトンとしてしまった。自分に負けたくない…?
「私は武道とは誰かを倒す為ではなく、己に勝つ為の物だと思うのです。昨日の自分に勝ち、大切な人を守ることができる力…。それが本当の強さだと思うのです」
「大切な人…?」
「ええ。お父様、お母様、お祖母様、お姉様…そして穂乃果、ことり…その他にも私には大切な人が沢山います。…それに……」
海未ちゃんは顔を赤くして下を向いてモジモジしている。
「…タカユキさんも……私にとって…大切な人…ですから……!」
「俺も…?」
「そうだよ!タカユキ君は穂乃果達にとって大切な友達だよ??」
穂乃果ちゃんが俺の目の前に来て手を差し伸べてきた。
そうだ……。俺はあの時、ただ海未ちゃんのことを……そして彼女達の未来を守りたいと思って変身した。大切な人達を守る為に変身したんだ。他には何も考えてなかった。
いや、考える必要がなかったんだ。大切な人達を守りたいって気持ちに理由なんかいらない。
俺は余計な事を考えて自分に言い訳をしていただけだ。負けた恐怖から逃げ出す理由が欲しかっただけなんだ。
もう逃げない。俺は穂乃果ちゃんの手を取った。
「ありがとう。なんか吹っ切れた気がする。みんなのおかげだよ。」
「本当!?」
「うん。考えるのはやめだ。ただ自分の想いに従って、俺は走る。例え何があっても……穂乃果ちゃんみたいに」
「いやぁ〜、照れますなぁ〜」
「穂乃果はもう少し考え深くいてもらいたいですが…」
「まあまあ海未ちゃん、今ここでそれを言うのは止めとこ」
「じゃあ、俺は行くよ」
俺は立ち上がって拳をぎゅっと握った。
「行くって何処にですか?」
海未ちゃんが首を傾げて聞いてきた。俺は決意を込めた目を3人に向けてその質問に答える……。
「泣いていた昨日までの自分に勝ちに行くんだ」
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「まさか…貴様の
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