アージェント 〜時の凍りし世界〜
第三章 《氷獄に彷徨う咎人》
白き地獄の底でA
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のは言葉を用いない対話。彼女はいつだって、こうして沢山の人と心を通わせてきたのだ。
「ーーー力づくでも、聞いてもらうからッ!!」
宣言と同時にアクセルシューターを展開、一斉に発射する。その数なんと21個。その全てが複雑な軌道を描きながら暁人に突進する。対する暁人は同数のコールドシューターを放って迎撃する。不規則に動く魔力弾を一つも逃さず捉え、二人の中間で魔力が炸裂する。ハイレベルの応酬だが、二人にとってはほんの小手調べである。
仕掛けるのは暁人。本来はカウンター型の彼であるが、近接戦の技量は間違いなく自分が勝っている。勝てる所で戦うのが彼だ。氷の刃を撃ち出して牽制し、距離を詰めようとする。それらをシールドで受け止めながらなのはは敢えて動かない。引き付けてからの砲撃で確実に迎撃するつもりだった。暁人のスピードはフェイトのそれには届かない。捕捉するのはそう難しい話ではない。
「《ディバインバスター》!」
十八番である直射砲撃魔法。威力は勿論、愛用するが故に精度もずば抜けて高い。ギリギリで躱す暁人だが、勢いは完全に殺されている。そこを逃す彼女ではない。追撃のシューターはしかり、一薙ぎで打ち払われる。再度間合いを詰め直す暁人、なのはもレイジングハートを掲げて防御姿勢を取る。
打ち合わされる二機のデバイスが火花を散らす。暁人のラッシュをなのはは、レイジングハートとシールドを併用して巧みに防いでいた。それでも追い込まれるが彼女に焦りはない。最初の時とは違って暁人の実力はある程度分かっているし、ここは空の上、なのはが全力で戦える空間だ。
対する暁人にも慌てた様子は無い。真っ向勝負では一筋縄ではいかない事など始めから分かっていた相手だ。それでもなお勝てると判断したから彼はこの場にいるのである。
「《ホワイトアウト》」
魔法を発動させると共に当たりが真っ白な雪に覆い隠される。野外での使用のため相手を凍らせる効果は薄いが目隠しとしては十分だ。
「っ!《プロテクション》!」
咄嗟にシールドを貼るなのは。奇襲に備えて球形に展開したそれにしかし、予期された衝撃は無かった。代わりに
「吹雪け」
〈《BlizzardCanon》〉
襲いかかったのは砲撃魔法。完全に不意を衝いたそれはしかし、障壁を抜くには至らなかった。
(チャージ不足?とにかく、チャンス!)
「《ハイペリオンーーー」
砲撃魔法後の隙を狙い、カウンターを放つべく障壁を解除したなのはだが、それがミスだった。なぜチャージ不足の砲撃をわざわざ放ったのか、その意味を考えるべきだったのだ。
「あぅ!?」
唐突に周囲から飛び出した氷の鎖に拘束され、巻き付かれた部分からじわじわと氷が広がる。威力不
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