揺籃編
第五話 パランティア星域の遭遇戦(前)
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
「艦隊は現位置で待機!スパルタニアンを十機、偵察に出せ」
司令が主任参謀に次々と命令を伝えている。それを主任参謀が大声で示達する。命令を伝え終わると、司令は司令室に戻っていった。
「艦長」
「何でしょうか、主任参謀」
「以後を任されました。…各員交代で一時間の休息を許可します。状況に変わりなければ、これを継続します。司令部も適宜交代で休息します」
「了解しました。各艦に伝えます」
ふう。一段落ね。
「内務長、当艦の状況はどうか」
「はっ、各科、内務班ともにオール・グリーン、異常なしです。身体的、精神的ともに異常を訴えている者もありません」
私の配置は内務長。各科…砲雷科、航法科、機関科、補給科、飛行科の状態把握と艦内に被害が出た時のダメ・コンの統制、被害復旧…が私の仕事。私の下には内務班として運用員、武器整備員がいる。
砲術科は砲術長セーガン大尉の下に射撃管制員、射撃員。
航法科は航海長ピアソン大尉の下に航法担当員、通信員、電子整備員。
機関科は機関長チャーチ大尉の下に機関員。
補給科は補給長コブ大尉の下に補給員、給養員、衛生員。
飛行科は飛行長コックス大尉の下に単座戦闘艇搭乗員、飛行整備員。
「宜しい。内務長、先に休みたまえ」
「ありがとうございます副長。でも副長がお先にどうぞ」
「…そうか、ではお言葉に甘えるとするか」
ふう。一段落ね。
4月20日14:30 パランティア星系外縁部、エル・ファシル警備艦隊第2分艦隊、
旗艦アウストラ オットー・バルクマン
やっと昼メシだ。現位置待機で助かった。
まったく、誰なんだ、航法オペレータなんて仕事考えたのは。どう考えても俸給以上の仕事だぞ!
それに何で今日の昼メシは炒飯と青椒肉絲なんだ!食べ終わったら仕事したくなくなるじゃないか!
くそう、何でこんなに旨いんだ!
「…オットー、一人で何をブツブツ言ってるんだ?危険だぞ」
「え?なんか俺言ってたか?」
「言ってないけど…人のまばらな食堂の真ん中に一人で座ってたら、独り言言ってる様に見えなくもない」
テーブルの前に立っていたのはヤマトと、眠そうなマイクだ。
「お前たちも今から昼メシか?」
「俺はそうだけど、こいつはサボりだ」
そう言うと、ヤマトはトレーを取りに行った。
「いいなあマイク。サボれて。まあ艦隊陸戦隊本部付つっても、この艦に派遣されてる保安要員だもんな。暇でしょうがないだろ?」
「エル・ファシルを出て…アスターテに入ったくらいまでは良かったさ。…この二日間、何してたと思う?…おーい、当番、コーヒー淹れてくれ」
食堂当番兵にコーヒー淹れさせてやがる…まだ乗って五日だぞ、馴染みすぎじゃないのか?
「…何をしてたんだ?」
「暇だなって
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ