揺籃編
第四話 遭遇戦
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らいいんだい?キミにちょっと話相手になって欲しかっただけさ。それくらいならいいだろう?」
ウエイトレスは周りを見渡した。釣られて俺も周りを見渡したらカウンターの中のマスターと目が合ってしまった。特に咎める様な顔はしていない。同じ様にウエイトレスもマスターを見る。
…彼女は諦めた様な顔をして、空いているテーブルから椅子を引寄せ俺の隣に座った。
…じっくり腰を据えて撃ち合うつもりか。面白い。
「…少しだけですよ。周りのお客さんの目もありますから」
「ありがとう!キミが天使に見えるよ!…ヘイゼルの瞳がとても素敵だね。俺はマイケル。マイクって呼んでくれ。キミの名前を聞いてもいいかな?」
「フ…フレデリカです」
「名前も素敵だね!学生かい?おいくつ?」
「じ、14になったばかりです。…名前を誉めてくれてありがとう」
「14だって?とてもそうは見えないな。大人びて見えるよ…ああ、これは勿論いい意味でだけど」
少し焦った(フリ)様子の俺を見て、彼女はニコッと笑ってくれた。可愛い!…俺は決して少女趣味ではない、大人びて見えるフレデリカ嬢がいけないんだ。
「あら。お上手ですね。いつもそうやって女の子に声をかけているんでしょうね。見たところ…軍人さん?艦隊の方ですか?」
「そんなことはないよ。キミが素敵だからつい声をかけてしまったんだ…そうだよ、今日着任したばかりなんだけどね」
「アハハっ!ウエイトレスは私と向こうにいるマーベルさんしか居ないのに?失礼だけど、マーベルさんは結構お年を召してらっしゃるし、その状況で『キミが素敵だから』って言われても…それに今日着任したのに『以前から思っていた』っておかしくありません?」
くっ…中々、用兵の妙を見せてくれるじゃないか…。
「そこまでにしとけよ、マイク」
「いきなりだな、オットー」
「せっかくのいいお店なのに、お前のせいで出入り禁止になったらどうする」
「う…今回は敗けを認めるとしよう。でもフレデリカさん、連絡先だけでも教えてくれないか。素敵だと思っているのは本当なんだ」
「どうしようかなあ。常連さんになったら教えてあげてもいいですよ」
「分かった。ちょくちょく通わせてもらうよ」
…あれ?みんなこっちを見るんじゃない!戦術的撤退という言葉を知らんのか!
4月15日21:00 レストラン「サンタモニカ」 ヤマト・ウィンチェスター
「貴方の同期、下手ねえ」
「…あのウエイトレスの戦術能力が高いのでしょう。中々、中央突破という風には行きませんよ」
マイクは大きくため息をついてグラスをあおった。オットーは肩で笑っている。
それにしてもフレデリカって、あのフレデリカ・グリーンヒルか?
もしそうなら世間は狭いというか何と言うか…。
「貴方はどう
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