TURN31 開戦その八
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「失礼しました。私ごときが」
「いえ、別に構いませんが」
日本自身はこう返す。
「私としましてはむしろ畏まってもらう方が恐縮です」
「そうなんですか?」
「はい、畏まらずにフランクに」
「だから俺はそうしているんだがな」
東郷は飄々として述べる。
「祖国さんのそうしたところを見てな」
「君はまたフランク過ぎる」
平賀が久重の口で言ってくる。
「もう少し礼儀を守るべきではないのか」
「いえ、東郷さんは紳士ですが」
ところが日本はこう言う。
「それも立派な」
「えっ、そうなんですか!?」
久重は自分の言葉を出した。
「この人が!?それは幾ら何でも」
「いや、東郷は紳士だ」
その久重にだ。平賀は自分の口で言った。
「そのことは私も保障する」
「そうなんですか」
「祖国殿の目は確かだ。安心しろ」
「まあ祖国さんが言うんならいいですがね」
「そういうことだ。ではだ」
「ええ、新旗艦の設計、開発ですね」
「それとあれだ」
平賀はまだ言うのだった。
「あれの開発も進めよう」
「ええ、あれは面白いことになりそうですね」
「どうやら隠し球があるな」
東郷は二人の話に面白そうに笑って突っ込みを入れた。
「その隠し球が出る時も楽しみにしておこうか」
「そこで詳しくは聞かないか」
「今全部わかると面白くないからな」
「余裕か」
「こうした状況だからこそ余裕がないと駄目だ」
東郷はわかっていた。このこともだ。
「そういうことさ。じゃあ全軍出撃だな」
「この戦い、日露戦争と同じくです」
日本は気を引き締めさせて述べた。
「運命の戦いとなります」
「それじゃあその運命の戦いにな」
「今から参りましょう」
日本は東郷と共に歩む。そうしてだった。
彼等はそれぞれの乗艦に乗り込む。そうするとだった。
東郷は長門の艦橋において秋山に告げた。
「じゃあ行くか」
「出撃ですね」
「ああ、俺達はマニラに向かう」
「マイクロネシアにはですね」
「山本の爺さんに柴神様にな」
「わしだ」
「わしも行くぞ」
宇垣と伊藤が出て来た。
「それと私もです」
「頑張ってくるんだぜ」
日本妹に韓国、この六人が率いるそれぞれの艦隊だった。
「では頑張ってきます」
「そうしてくるんだぜ」
「あちらには六個艦隊ですね」
「マイクロネシアにはそれだけで充分だ」
東郷はその判断を秋山に述べる。
「だがマニラ方面はな」
「はい、エイリスの植民地にも侵攻しますので」
「その六個艦隊以外の全部の艦隊を投入する」
つまりこちらが主力だというのだ。東郷が直接率いるだけのものがあった。
「最初からそうするつもりだった」
「最初からですね」
「それは当然だと思うな」
「
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ