第百二十四話 台風とその一
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第百二十四話 台風と
南洋の移動要塞である無何有郷は進路を南南西に変えて日本の移動要塞である蓬莱に向かっていた。
ブッパースウォングはその状況でズーに述べた。
「しかしな」
「日本は何を考えてるか」
「何で台風に向かうか」
首を傾げさせて言うのだった。
「それがわからんわ」
「台風の力を吸収して」
そしてとだ、ブッパースウォングは話した。
「それをわし等に向けるつもりっちゅうが」
「台風の力は絶大です」
ダーガーもいて言ってきた。
「それを吸収するとなると」
「相当な数の風水師を使っても」
それでもとだ、ズーも首を傾げさせた。
「結構な時間がかかる」
「しかもな」
ブッパースウォングはさらに言った。
「操るのも難しい」
「いや、日本には優れた風水師がいる」
このことを指摘したのはテレサだった、今は四人でブッパースウォングの部屋にいてそれでダーガーが出したトランプで遊びつつ話をしている。
「小林千歳がな」
「あの娘やな」
「あの娘に使わせてな」
そしてというのだ。
「そしてな」
「そのうえでやな」
「台風を操らせるのだろう」
「そういうことか」
「星の者に風水師がいるとな」
自然を操ることが出来るこの職業の者がというのだ。
「非常に強い」
「自然に対しても」
「だからだ」
「ここはか」
「あの娘の力を使ってだ」
「台風の力を吸収してか」
「砲弾の様に使うのだろう」
テレサはブッパースウォングにこう話した。
「おそらくな」
「砲弾かいな」
ズーはテレサの言葉を聞いてこう言った。
「ほな対応の仕方があるな」
「そやな」
テレサもその通りだと返した。
「それならな」
「一ヶ所に来るからな」
「それも限られた範囲にな」
「そやからな」
「台風の力でも打ち込んで来るならな」
それならというのだ。
「対応も出来るわ」
「その仕方があるな」
「結構な」
「風には風をぶつけるか」
ダーガーはその対策の具体的な方法を話した。
「風の弱点である土属性をぶつけるか」
「そうして相殺するな」
「そうしましょう、そして後は」
ダーガーは仲間達にさらに話した。
「私達の総力で、です」
「あっちに向かうんやな」
「はい」
まさにというのだ。
「四百万の兵で」
「日本に向かうな」
「日本の兵は精兵で知られますが」
このことは南洋の者達もよく知っている、国内で多くの戦を経ているうえに規律が徹底し訓練も常に厳しいものが行われていることをだ。
「しかしです」
「それでもやな」
「六十万です」
日本の兵の数はというのだ。
「それだけならば」
「別にやな」
「はい、六十万の兵なら」
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