揺籃編
第二話 卒業
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施設も同様だ。ちょっと調べてみようか。
「待たせたな!」
マイケルが走ってこちらにやってくる。このあとは打ち上げだ。
3月27日21:00 ハイネセン、ハイネセンポリス3番街、大長征(ザ・ロンゲスト・マーチ)、
マイケル・ダグラス
ヤマトは酔いつぶれてテーブルにつっ伏している。まあ…いつもの事だな。
ここは俺たちがよく通っているバーだ。本当かどうか知らないが、自由惑星同盟開闢以来の店なんだそうだ。同じ分隊の奴等との打ち上げが終わって、今は三人で二次会だ。
「エル・ファシルって、どんな所なんだろうな」
オットーが呟く。
「田舎…ではないな。でもハイネセンに比べたら…まあ田舎だな」
「お前、行ったことがあるのか?マイク」
「ああ。一年の時、付き合ってた彼女の出身がエル・ファシルだったんだ。休暇で一緒に行ってきたんだよ」
「一年の時?…お前、あれって伯父が危篤で休暇を延長したんじゃなかったのか?」
「あ。…そういえば、そうだったな」
「よくバレなかったな」
「実際に伯父は危篤だったんだよ。伯父は商用でエル・ファシルに行ってたんだが、痔が悪化してさ。動けないんだぜ?危篤には違いないだろ?」
「…そりゃ危篤だな…」
そう言ってオットーはマッカランを一気に煽った。
「まあ、口裏は合わせてもらったし、バレるわけないよ」
合わせるように俺もグラスを空ける。オットーのやつ、酒強いんだよな。なんでモテないんだろう?
「そんなことはどうでもいいんだよ。…エル・ファシル星系警備隊。艦艇二千隻、基地隊三万五千か…」
「お前とヤマトは戦艦に乗るんだったよな」
「ああ。マイクはどうだったっけか」
「俺はまだ分からんのよ。陸戦隊には変わりないけど、艦隊付か基地隊付か」
「一緒にしてもらおうぜ。どうせなら艦隊の方がいいだろう?乗組手当もつくし」
「え?俺は根拠地付の方がいいんだが…」
俺がそう言うと、オットーが睨んできた。
「どうせ、女を口説く為だろ?」
「あれ、分かっちゃった?ハハハ…ていうか、ヤマトの奴、大丈夫か?全然起きないけど」
ヤマトを揺すって起こそうとしたとき、入口のドアが開いた。
「おお、此処に居たのか。いやいや、探した探した」
そう言って声をかけて来たのは航法科教官室のフィールズ中尉だ。
「中尉殿、何かありましたか?」
「そう畏まるなよ、お前等はもう修業したんだからな。学校じゃないんだ、殿はいらんよ」
「はあ。…では中尉、何かご用でも?」
フィールズ中尉はニヤニヤしている。
「ダグラス兵曹、お前じゃないんだ、ウィンチェスター兵曹に用事がある。おい、居たぞ、入ってこい」
中尉は開いたままのドアの外に向かって声をかけた。
3月28日01:00 ハイネセン、
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