9話
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がないのだ。
だけど、ギンはそうではない。生身に近い彼が大火災になっても大丈夫なのかって聞いたハジメ。
「大丈夫だよ。俺は劫火の中でも火傷せずに生き残ったから」
「それはそれでヤベぇ〜っと思うけどな」
そんなことを会話しながら、先に進んでいく。
奈落に落ちてから、どれだけの時が経過したのかわからない。
だが、一ヶ月ほどの時が経過したのはわかる。
それはギンが教えてくれた。
「奈落に落ちてから、ざっと一ヶ月ぐらい経過したな」
「ああ? こうも同じ景色だと時間感覚なんて狂うだろう。だが、何故、一ヶ月経過してるのは分かるんだ?」
ハジメはそのわけを聞いてくる。
「宇宙という広大な海で宇宙航行してるんだ。星々によって、時間感覚なんてバラバラだ。時間が早いのもあれば、遅いのもある・・・」
「まあ、それもそうだな」
「だけど、そんなの体感時間だ。艦空挺いや宇宙船で体感時間を調整してるんだよ」
「なるほどな。宇宙っていうと時間の概念がないと思ってたが違うんだな」
「いや、宇宙空間に時間の概念がない。あるとしたら、あの鹿ぐらいか」
「鹿?」
「ああ、宇宙空間の中で唯一、時間の概念を持つ化物がいる・・・・・・鹿王」
「鹿王」
「そう。大きさについては聞かない方が良いぞ。人間なんか米粒に等しいんだ。エネルギー量も不明。実力も不明だ。だが、能力だけは判明されてる」
「それが時間に関係するというわけだな」
ハジメの確信のつく応えにギンは
「正解。鹿王の固有能力――『裏時間』。大雑把に言うと、体感時間が数千京倍から数千京分の一らしい」
「生き物なんて死ぬだろう」
「しかも、小動物並の敏感性を持ってる。皇帝の俺でも相手したくないわ」
「俺だって、相手したくないぞ。そんな時間の化物なんかと・・・」
ハジメのギンの説明を聞いて、相手にしたくないと豪語する。
だけど、ギンはこんなことを内心吐露する。
ー実のところ、『裏時間』を操れる人間がいるんだよなぁ〜。俺と同じで皇帝と称されてる騎士ー
彼の脳裏に浮かんだのは、いつも本ばかりを読んでる『全宇宙の叡智』にして皇帝と呼ばれる少年。
『蒼薔薇』――ユージ・レイロック・ラニカ。
彼のことを思い出してた。
それについては話さない方がいいだろう。
それを知ったら、ハジメが頭抱えそうだから。
そんなこんなで下の階層へ進んでいく。
ちょうど、中間付近で異様な扉を発見する。
扉を見上げてるギンとハジメ。
「デケェな」
「俺も同じ
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