第一部
道筋
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【夏期龍帝祭】が終了して直ぐ。
《立華紫闇》は入院した。
彼は準優勝よって【龍帝学園】の一年生において学年序列[第二位]に格付けされる。
当然一位は《橘花 翔》
紫闇にはマスコミから渾名も。
【白狂戦鬼/バーサーカー】
「ほえー」
「他人事みたいだけど君のことだからね」
ベッドに寝ながら話を聞いている紫闇の横には椅子に座る《黒鋼焔》の姿が有った。
「的場君が言ってたよ。『見たかったものを見ることが出来た。優勝できなかったのは残念だけど、俺のヒーローが帰ってきた』ってね」
紫闇の幼馴染み《的場聖持》
彼が居なければ紫闇は黒鋼流の修業に耐えられず落ちこぼれのままだった。
「彼奴には礼を言わなきゃな」
《朱衝義人》に憧れて龍帝学園に入学するまでした努力は報われなかった。
そんな彼が黒鋼と出会い三ヶ月で夏期龍帝祭を準優勝出来るところまで来たのだ。
(自分という物語でやっと序章が終わった気がする。此処からが本当の始まりなんだ)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
かつての東京。
そして昨年、世界で唯一解放された元・【無明都市/ロストワールド】
現在は【聖域】だ。
【魔獣領域】のような【魔獣】ではなく、似て非なる【モンスター】の生息地。
あちらこちらにモンスターが倒れている。
「お、居た居た。探したぞ」
声の主は《エンド・プロヴィデンス》
《永遠レイア》の弟で紫闇の幼馴染み。
彼はある人物を追っていた。
夏期龍帝祭が始まる前に龍帝学園から姿を消し、全く登校しなくなった男子生徒。
「なんだエンドか。立華が勝ったのか?」
死んでいる一頭の巨大なモンスターに魔晄外装の日本刀を突き立て腰を下ろしている眼鏡を掛け、長い黒髪を後ろで束ねた剣士。
「解り切ったことを聞くなよ春斗」
《江神春斗》
紫闇が戦いを望んだ相手。
彼は聖域に棲むモンスターのボスとも言える立場に居る【精霊】やモンスター達に頼み、一月半近く戦い続ける日々を送っていた。
「ということは、挑むのは翔か」
春斗は元々夏期龍帝祭の優勝者と戦う為に体を鍛え、技を練り、心を澄まし、勘を磨き上げたのだから誰が相手でも関係ない。
「取り敢えず出るとしよう」
春斗とエンドは聖域の外へ向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「なあ焔」
「んー?」
紫闇は気になって仕方ない。
「江神どうしてるかな」
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