1.妖精と死神
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天才ドクター????
気が付いた時にはそんな風に呼ばれていた。幼い頃からどんな数式も化学式も、一度覚えれば簡単に解くことが出来ていた。いつか読んだ医学本から知識を身に付け、まるで上がるエスカレーターに乗っている様に簡単に免許を取得した。いくつもの手術を施し、数え切れない程の命を繋いだ。周りは凄いと歓喜し、救世主と讃えるが自分はそうは感じない。出来て当たり前なのだから。初めて補助輪の取れた自転車に乗れる様になったのを自慢する子どもとは違う。当たり前に出来る事を、褒められた所で何を思えば良い?賛辞を求めている訳ではない。金銭を望んでもいない。それでも贈られて来たそれらは、心を満たさず生活を充たしていく。ひたすらに人を切り、人を救う。何とも簡単な作業だ。俺はこれからも人を救い続ける。そこに迷いは無い。永遠に、それが続いていくと思っていた。
あの時までは????
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Sword Art Online。略称SAOと呼ばれるそれは、ゲームメイカー・アーガスより発売された完全な仮想世界を構築する民生用VRマシン・ナーヴギアの性能を生かした世界初となるVRMMORPGである。天才・茅場晶彦によって開発され、ソードの名に有る通り刀剣類、斧、槍等を使用して戦い、魔法要素を排したものになっている。また、習得出来るスキルには戦闘用、戦闘補助用以外にも複数用意されており、ゲーム内で文字通り生活することが出来る。多くの人々がこの画期的なゲームを求め、初期出入荷分の1万本は瞬く間に完売。正式サービス開始と共に1万人がこの剣の世界にログインした。
だがそれは、地獄の幕開けであった。
茅場晶彦は、プレイヤー1万人の意識を仮想世界内に閉じ込めログアウト不可能にしてしまう。この世界から抜け出すには全100層からなるゲームの舞台、浮遊城アインクラッドをクリアするしかない。更にプレイヤー達を絶望させたのはHP0=現実世界での死という事実。コンティニュー不可能のデスゲーム。最初の一カ月で約2000人が死亡するという事態。恐怖で膝を抱える者、剣を取り天を目指す者、剣士達を支える者、殺戮に興じる者。様々な者が、様々な想いを秘め、この世界を生きていた。
そんな世界に、小さな異変が起きていた事に誰も気付いてなかった????
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「はぁ……」
アインクラッド第47層〈巨大花の森〉。そこを1人の少女がふらふらと歩いていた。10代前半
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