3話
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その後、武器に関して、俺は良いと断っといた。何故なら、俺には武器がある。
そう、俺の武器は刀だ。
しかも、三本の刀。
メルドさんは一本、一本、慎重に視てる。
「見事な作りだな。斬ることに特化した代物だな。しかも、二本は黒い刀・・・もう一本は白銀刀・・・視てるだけでも、相当な業物だと思ってしまう」
メルドさんは国家錬成師たちに見せてもいいかと聞かれるも、俺は
「いやです。その刀は俺の身体の一部そのもの。おいそれと、誰かに調べたくないし、触らせたくない」
俺は三本の刀を腰に帯刀する。
そういえば、昔、祖父ちゃんが俺に二本の刀を渡してきたな。
一本は愛刀にさせたけど、もう一本は俺でも扱えなかったから。
どうしよう、誰かにあげちゃおうかな。
仲間には渡す気がなかったから。雫にも渡そうかな。
雫は生粋の剣士だ。昔、雫の家にお邪魔したとき、武芸の家というのは分かったからな。
雫に渡しても問題ないだろう。
「雫」
彼女に声をかける。
「なに、銀華」
俺は雫に鞘に収まってる刀を見せる。
「此をキミにあげるわ」
「私に?」
雫は俺から渡された刀を抜いて、刃を視て、
「綺麗・・・」
うっとりしてる。
俺が渡した刀は最上大業物12工の一本。
祖父ちゃんが形見にしていた二本の刀の一つだ。
祖父ちゃんが言うには、確か・・・
『心から好いてる人に渡しなさい』
って言われたけど、俺からしたら、雫に俺の思いが籠もってる刀でもあるけどな。
それよりも、雫の奴、未だにうっとりしてるけど、大丈夫なのか?
「なんなの、この刀・・・」
うっとりと刀を視ながら呟いてる。
「此奴は最上大業物12工の一本、刃は・・・乱れ刃大互の目!!! 名刀『蛮竜』という一品。そこいらではお目に掛からない代物さ」
「最上大業物?」
刀のことをあんまり知らないんだな。
せっかくだし、教えておこう。
「刀のランクのことだよ。上から順に最上大業物、大業物、良業物、業物という順番になってる。キミが持ってるのは、その中でも最高ランクの刀。一口に纏めると『名刀』と名付けている」
「それじゃあ、銀華のも・・・」
「そう。俺のは最上大業物が二本に、大業物が一本。扱うのにも時間が食ったがな」
俺は自分の腰に帯刀してる刀の柄を弄りながら言ってる。
「良いの? こんな刀を私が使っちゃって・・・」
マジマジと『蛮竜』を視てる雫。
「俺だって扱いたかったが・・・」
「扱いたかったが・・・?」
オウム返しに聞いてくる雫に俺は
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