2話
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ら、無理だろうな。
おや、南雲の奴。なにかと冷静だな。
周りの皆は帰れないという事実に動揺が広がってるのに――。
大方、ラノベとか、このような展開を想像できたんだろうな。
此奴は仲間たちに頼まないと出来ないな。
俺のビブルカードを利用して迎えに来てもらおう。
まあ、無線通信インカムがあるから通信電話が出来るけど・・・今は使用しないでおこう。
とりあえず、この状況の打破を考える。
だが、状況は最悪な方に進んでいく。
何しろ、あのバカが
「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ・・・俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない・・・イシュタルさん? どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
餓鬼が喚いてるな。
だが、戦争に参加するとして、此奴らは此をゲームとか遊び感覚で考えてるのか。もしくは現実逃避をしてるかもな。
覚悟のない奴らが喚いたところで無意味だろうな。
この世界にハッピーエンドなんてものはない。
全てが救われるなんてものはない。
ガイルドとか海軍の奴らが聞いたら、甘ったれるとか言いそうだな。
ユーヤもユーヤで立派な男だもんな。
勝利と敗北を知り、時には逃げ回って、男というのは一人前になる。
現実は残酷だ。平和と戦争とは青天の霹靂。
互いに理解できない。
俺は今でも、《《亡き親友》》のことを忘れないのだからな。
「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな・・・俺もやるぜ?」
「龍太郎・・・」
「今のところ、それしかないわよね・・・気に食わないけど・・・私もやるわ」
「雫・・・」
「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」
「香織・・・」
もう無理だな。
勝手に死にたい奴は死ねばいい。
俺が言っても無理だろうから。
こうして、俺たちはあのバカの言う通りに戦争に参加することになった。
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