ふたりだけのしあわせ
[8]前話 前書き
そろそろかな。時計をちらりと見遣ったタイミングでリビングへとつながる扉が開き、のっそりと体躯を引きずるようにして彼がやってくる。今日は髪のセットこそ済んでいるが、服装は整っていない。
「お寝坊オルタさん? ボタン掛け違えてますよー」
「……ん」
一つずつズレているのを直しながら頬が緩んだ。そこそこの頻度で無頓着さを発揮する彼が可愛くて愛おしい。終わったよ、と逞しい身体へ手を添えれば額に温かい唇が落とされ、険のない赤と目が合う。
「おはよう」
「おはよ、クー」
これ以上なんて、きっとない。そう思えるくらい幸せだ――こうやって目一杯背伸びをしてキスを送ったのなら、彼にも伝わるだろうか?
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