暁 〜小説投稿サイト〜
曇天に哭く修羅
第一部
灼熱
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
ンド》もそうだ。


「い、今のは、外装の力、よね?」

「いや。規格外はゴミタイプさ。紫闇の外装に異能は宿ってなんかない」


《黒鋼焔》が否定する。


「じゃあさっきのは何なのよ!?」


この問いに《江神全司(こうがみぜんじ)》が答えた。


「あの小僧は【神が参る者(イレギュラーワン)】と言ってな。【上位存在】と融合した人間よ。先刻の力は外装でなく立華紫闇という個人に宿ったもの。そうであろう黒鋼焔?」


焔が頷く隣でクリスが驚愕。


「本人には言わないでくれ。今はまだ秘密にしてる。明かす段階じゃない」


《永遠レイア》はクリスに注意しておく。


「しかしそれにしても」


焔は熱中している。

紫闇の想定以上の力に。

今回の橘花 翔は破格の相手すぎてどうにもならなかったので仕方ないだろう。


「紫闇の力は『時間操作』の類い。今は周囲の力を数万分の一に圧縮する程度。けれども成長するなら(いず)れは[完全な時間の停止]も可能になるかもしれない」


現時点なら焔も攻略できる。

しかし将来的には未知数。


「しっかし紫闇の小僧も決勝であんなのに当たりとはのう。せっかく宿しとる上位存在が……。いや、断定するのは()しとくか」


黒鋼弥以覇(くろがねやいば)》は紫闇と融合している上位存在が誰なのか言及を避けた。

倒れていた紫闇が目を醒ます。


「強い、な橘花……。本当に、さ……。まさか外装も出さず、左腕一本で……攻める相手に。しかも……あれだけ、攻撃を当てた奴、に……。負ける、とは……思わなかった」


翔は目を合わせて告げる。


「俺は認めるぞ立華紫闇。お前は美事な男だった。本当にな。心からそう思う。今度戦う時までにもっと強くなっておけ」


古神旧印(エルダーサイン)】が翔に移ると紫闇の意識は黒一色に染まり、何も見えず、聞こえなくなった。


[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ