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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第19話:危険な演奏会
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し始める。
透という名前を先程から口にしていることから誰に話し掛けているのかは分かるのだが、当の本人は先程から一言も口を開いていない。軽くクリスの方に目を向けたりなどはしているが、小声すら発してはいなかった。
にも拘らず、彼女はどうやって会話を成立させているのだろうか?
突然奇妙なことを口にし始めたクリスに気を取られ、颯人の注意が逸れてしまった。
それを狙ってかどうかは知らないが、次の瞬間クリスと透は行動を起こした。
「んじゃ、そろそろ仕上げと行くか。一曲景気のいい奴頼むぜ、透!」
前に出てアームドギアを構えるクリス。
一方透は、左手に持った剣を逆さに持ったかと思うと切っ先側の峰を顎で挟み、右手に持った剣の峰の部分を左手の剣の腹の部分に添えた。よく見ると両方の接触部分には共に糸が張ってあった。
それを見て、颯人はそれが何なのかを理解した。あれはヴァイオリンだ。ヴァイオリンとしての機能を持った二つで一つの武器だったのだ。
透が澱みなくそれで演奏を始め、それに合わせる様にクリスが歌を歌い出した。先程から戦闘中に口にしている歌を、更に激しくしたような歌だ。
突如始まる演奏とそれに合わせた歌唱。
するとクリス達と颯人達、双方に変化が起こった。
クリスの方はアームドギアが変形し長い砲身のような形になると、スカート部分から変形した装甲と肩越しに合体して両肩に一門ずつ担がれた砲台となる。
一方、颯人達の方は演奏が始まってすぐに翼と響、そして颯人が苦悶の声を上げ始めた。
「な、何だ、これは────!?」
「か、体が……重いッ!?」
「ぐあぁぁぁぁぁっ?! こ、こいつは──!?」
「何だ、どうした3人共!?」
突然3人に訪れた異変に、唯一何の異常もない奏が混乱する。
その彼女の耳に、オペレーターのあおいの声が入った。
『天羽々斬、及び響ちゃんと奏ちゃんのガングニールの適合係数が急激に低下していますッ!』
「はぁっ!? ちょっと待て、あたし何ともないぞ? …………あ、まさか──!?」
シンフォギアは適合係数が低い者が纏うと負担が装者に襲い掛かる。奏もLiNKARで誤魔化してはいるが、効果が切れればギアは重くなり負担はバックファイアとなってその身を苛む。
翼は元から適合係数が高かったし、響もギアと融合している為に奏に比べて受ける負担はまだマシな方となっている。が、奏が同じ状況になれば受ける苦痛は2人の比ではない。
では何故奏は何ともないのか?
その答えは、現在進行形で苦しんでいる颯人が答えだ。彼は魔法により奏がギアから受ける筈だった負担を己の身に肩代わりさせている。だからこそ奏自身は何ともないのに、彼はここまで
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