暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第19話:危険な演奏会
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かかってくるのを颯人はウィザーソードガン一つで迎え撃つ。重く鋭くそれでいて速い斬撃を剣一本で耐え凌ぐのは骨が折れるどころではなかったが、文句を言っても始まらない。
 翼はまだ合流できそうにないし、奏と響は未だ上空からのクリスの弾幕で釘付けにされていた。

 増援が望めない状況に、颯人が仮面の奥で顔を顰めていると、出し抜けに目の前に光の矢が装填されたボウガンが突き付けられた。見れば何時の間にか着地していたクリスがアームドギアを構えていたのだ。

 仮面の奥で目を見開く颯人。その彼にクリスは不敵な笑みを向け、容赦なく引き金を引いた。

「ぐあっ?!」
「へへっ!」

 再び距離を離された颯人に、クリスは勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
 それを見て彼は思わず地面を殴りつけ、苛立ちを発散させると体勢を立て直しつつある奏と翼に目配せし3人で一斉にクリスと透に飛び掛かる。

 響は…………まだ体勢が整っていない。1人のけ者にするようで心苦しい気持ちはあるが、此処は仕方がないだろう。

 2人相手ならあっさり対応されたが、今度は3人。しかも颯人は空中から伸ばした鎖で自身を引き上げ上空から攻撃を仕掛けている。

 三次元方向からのものを含んだ三方向同時攻撃、これは流石にどれか一つは刺さる筈だ。

 しかしやはりこの2人の連携は彼らの予想を上回っていた。

〈イエス! ブリザード! アンダスタンドゥ?〉

 突然透が魔法で地面を凍らせると、2人は徐に互いに左手に持った方の武器を上に放った。そして空になった左手を繋ぎ合わせると、その左手を中心に凍った足場を滑ってメリーゴーランドの様に回転し始めたのだ。

「「なっ!?」」

 既に攻撃できる距離まで近づいていた奏と翼はその行動に一瞬どちらを攻撃するべきか迷い、そこを突かれてクリスと透両方の攻撃を喰らってしまう。

「ッ!? チィッ!?」
〈フレイム、スラッシュストライク! ヒーヒーヒー! 〉

 先んじて攻撃を仕掛けた筈の奏と翼が返り討ちにあったのを見て、颯人は大技で2人を纏めて薙ぎ払う事を選択した。
 本当は奏と翼の攻撃で動きを止めた2人を同時に攻撃して連携を崩すつもりだったのに、こちらが逆に連携を崩されてしまったのだ。

 放たれる炎の斬撃。
 それを透はクリスの手を引き抱き寄せる様にして回避すると、そのまま回転の勢いを殺さず立ち位置を変更。大技を放った直後で無防備になっている颯人にクリスのアームドギアが変形したガトリング砲の吐き出す銃弾が襲い掛かる。

「あぁ、くそっ!?」
〈バインド、プリーズ〉

 自身に向けられる銃口を見て、颯人は咄嗟にバインドの魔法で自分の体を明後日の方向に引っ張り放たれる銃弾を回避する。

 何とか事なきを得た
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