暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第19話:危険な演奏会
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左右に逃れようとすれば背中を向けている方を颯人と奏がそれぞれ攻撃すればいい。

 奏はこの時点で自分たちの勝利を確信していた。

 しかしここでクリスと透は予想外の動きに出た。徐にクリスが身を屈めると透がその背に乗るようにして後ろに倒れこんだのだ。対するクリスはそれに合わせる様に、否、彼の背を掬い上げる様に体を捻りながら両手に持ったボウガンをそれぞれ迫る翼と響に向けた。

「なっ!?」
「えっ!?」

 突然の行動に一瞬思考が停止する2人。

 その2人に向けてクリスは容赦なく引き金を引き光の矢を放つ。響と翼は咄嗟に防御したがお陰で体勢は崩され、更に響にはクリスの、翼には透の追撃が襲い掛かった。

「くぅっ?!」
「翼ッ!?」
「あっ────」
「させるかッ!?」
〈ディフェンド、プリーズ〉

 翼と響、それぞれに迫る追撃を颯人と奏がフォローして事無きを得る。響に放たれた矢はウィザードの障壁で防がれ、翼に放たれた斬撃は奏が振るったアームドギアにより弾き返された。

 どちらかが隙を晒すのを待って攻撃を翼と響だけに任せたのは失敗だった。

 そう感じた颯人と奏は体勢を立て直した翼・響と共に今度は4人で一斉にクリスと透に攻撃を仕掛けた。流石に倍の戦力で一斉に攻撃されては堪ったものではないだろう。

 ところが──────

「あめぇんだよッ!!」

 クリスと透は互いに向き合うと、透のバックアップを受けてクリスがその場で大きく跳躍した。魔法使いの腕力とシンフォギアによる肉体強化を受けての跳躍は優にビル3階分ほどの高さまで彼女の体を押し上げ、颯人達を俯瞰させた。

 その状態でクリスはボウガン型のアームドギアの形状を変形させ、銃口を3つ持つガトリング砲に変形させた。クリスはそのまま上空で体を横に回転させながら両手に持ったガトリングの引き金を引き、文字通り弾丸を雨霰と4人に降り注がせた。

「うわぁぁぁぁっ?!」
「何だよそれッ!?」

 弾丸の雨を受け、思わずその場で立ち止まってしまう響と奏。

 一方颯人と翼は何とか切り抜けると、地上に1人残された透を仕留めるべく一気に接近した。あの2人、なかなかに連携が良い。片方だけでも早々に潰して連携を崩さないとこちらの被害が大きくなる。

 そう思い透に攻撃を仕掛けたのだが、颯人と翼は思っていた以上の苦戦を強いられた。

 同時に放たれた颯人と翼の斬撃を透は両手にそれぞれ持った剣で弾き、まず手始めに翼の腹に蹴りを入れて大きく引き剥がした。

「ぐはっ?!」

 体をくの字に曲げて蹴り飛ばされる翼を颯人は一瞬見遣るが、直ぐに気を取り直して透の相手に集中した。

 相手が1人になったと見て、苛烈なまでに両手に持った剣で縦横無尽に斬り
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