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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第19話:危険な演奏会
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が精一杯だった。

 それはクリスも同様だ。彼女もなかなかの強さを持つ。ネフシュタンの鎧を纏っている時もノイズ相手に一戦を終えた後とは言え翼を追い詰めたのだ。
 この上未知のシンフォギアを纏った時、彼女の実力は如何程の物なのか? 

 現状に危機感を颯人が感じていると、彼の隣に奏がアームドギアを構えながら並び立った。突然隣に来た奏に彼がそちらを見やると、彼女は真剣な表情で口を開いた。

「まさかこの期に及んで下がってろ、何て言うつもりじゃないだろ?」
「ん〜……まぁな」
「じゃ、文句はないよな?」

 そう言って不敵な笑みを浮かべる奏に、颯人は仮面の奥で溜め息を吐きつつ頼もしさに頬を緩めた。

「あぁ、文句はねぇ。寧ろ頼む」

 颯人がソードモードのウィザーソードガンを構えながら告げると、奏に続き翼と響も並び構えた。

「2人だけを戦わせるのは防人の名折れ。私もッ!」
「わ、私も、皆さんの邪魔にならない程度に頑張ります!!」

 戦う気満々の様子の翼と響。2人の参戦に颯人は奏と顔を見合わせ、同時に肩を竦めた。本当はまだダメージが抜けていないだろう翼と戦力的に不安が残る響には下がっていてほしかったが、問答する時間が惜しい。

 対するクリスは、立ち上がり自分達に対峙しようとする2人を見て明らかに小馬鹿にしたような笑みを浮かべた。

「おいおい、さっきあたしにボコボコにされたこともう忘れたのか? お前じゃあたし達には勝てないぜ?」
「先程までの私と思うなッ!」

 言うが早いか、クリスとメイジに向け突撃する翼。彼女がそう動くだろうことは予め予想していたので、それに遅れる事無く奏は彼女に続き颯人はスタイルをフレイムに戻しながらメイジに攻撃を仕掛けた。
 響は颯人に続く。

 迫る奏と翼を、クリスは両手に持った二丁のボウガンで迎え撃つ。通常のボウガンとは異なり複数の光の矢を同時に発射するボウガンから放たれる弾幕を、奏は翼の前に出てアームドギアを回転させ盾にすることで凌ぐ。

「その程度ッ!!」
「チィッ!?」

 急激に距離を詰めてくる奏に流石に不味いと思ったのか、クリスはその場から跳躍して距離を取る。
 その様子から奏はイチイバルを纏ったクリスは接近戦が不得手であることを看破。翼に視線で合図を送ると更に攻勢を強めた。

 接近戦を得意とする2人に攻め立てられるクリスを援護しようとしたのか、メイジがクリスの元へ向かおうとするが颯人はそれを許さなかった。

 背を向けようとしたメイジにウィザーソードガンを振り下ろし、防御させることで強制的にその場に押し留めた。

「響ちゃんッ!!」
「はいッ!! やぁぁぁぁぁっ!!」

 動きを止めたメイジに、響が雄叫びと共に殴り掛かる。固く握り
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