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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第19話:危険な演奏会
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「イチイバル、だとぉっ!?」
クリスがネフシュタンの鎧を脱ぎ、新たにシンフォギア・イチイバルを纏った時司令室でモニターを見ながらオペレーターからの報告を聞いた弦十郎は堪らず叫びを上げた。
何を隠そう、あのイチイバルは元々この二課の所有する聖遺物の一つであったのだ。
今から10年前に紛失し、それ以降行方が分からなくなっていた第2号聖遺物を用いたシンフォギア。それが今、モニターの向こうで奏達と相対している。それも未確認の魔法使いと思しき者と共に。
それを見て、まず真っ先に行動を起こしたのは了子であった。
「現場に行くわ」
「了子君ッ!?」
突然踵を返しながら現場に向かおうとする了子を、弦十郎は慌てて引き留める。
「待つんだッ! 行くなら俺が行く、だから君はここで──」
「悪いけど、そうも言ってられないでしょ? 失われた筈のイチイバルの奪還、加えてあの子が脱ぎ捨てたネフシュタンの鎧を回収する千載一遇の好機なのよ。ジッとしてなんていられないわ」
「だが、危険過ぎる。未知の魔法使いにノイズを操る術を持った相手だ。君はここに残っていろ。行くなら俺と緒川だけで行く」
弦十郎は了子が現場に向かう事に強い難色を示した。
彼の言う通り、未知の相手にノイズを操る手段を持ったクリスは自衛の手段を持たない了子にとって大きな脅威だ。ヘタに向かえばとばっちりでシャレにならない被害を受ける可能性もある。
二課の責任者として、何より“一人の男”として弦十郎は了子の行動を認める訳にはいかなかった。
「見たところ、あの魔法使いっぽいのは動きに悪意が感じられないわ。そもそもの話戦力自体はこちらが勝っている訳だし、身の心配はそんなに必要ないでしょう?」
「それは……えぇいッ!? 問答している時間が惜しい。いいか? 必要以上に勝手な行動は許さないからな!」
「はいはい、それでいいから早くいきましょ」
半ば強引に現場に向かう了子。弦十郎はそれを仕方なく認め、緒川を伴い現場に向かう為彼女に続き司令室を後にする。
その際、一度背後を振り返りモニターに目を向ければイチイバルを身に纏ったクリスとメイジがウィザード達との戦闘に突入していた。その様子に一度険しい顔をし、次いで了子の後ろ姿に苦虫を噛み潰したような顔をしてから司令室を出ていくのだった。
***
一方、クリスと名乗ったイチイバルの装者とメイジと対峙するウィザードは、仮面の奥で一人険しい表情をしていた。
あのメイジの実力は先程の戦闘で味わった。だからこそ断言できる、奴は強い。
負けてるなどと弱気になるつもりはないが、さりとて自分の方が強いなどとは逆立ちしても言えなかった。最大限に見栄を張っても互角と言うの
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