暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第百二十三話 台風の中へその十四
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「そちらのお芋もよく食うでごわす」
「ジャガイモもいいだがや」
 坂口は今は薩摩芋を食べつつ北原に応えた。
「あれはあれで美味しい料理が多いだがや」
「全くだな、肉じゃがもそうだしな」
「カレーには絶対に入れるだがや」
「そしてドイツ料理でもな」
「よく使うだがや」
 それでというのだ。
「それで食うだがや」
「そうだな、チーズやバターと合うのがいい」
 室生は笑ってこうも言った。
「確かにかなりいける」
「全くだがや」
「おいどんとしてはでごわす」
 北原は薩摩芋をさらに食べつつジャガイモについても言及した。
「肉じゃがが一番でごわす」
「そちらか」
「あとはタラモサラダもよかでごわすな」
「鱈子を入れたサラダだな」
「あれも好きでごわす」
「ああ、鱈子を入れたマッシュポテトだぎゃな」
 タラモサラダと聞いてだ、坂口はこう応えた。
「あれは確かに美味いだがや」
「あれはマッシュポテトか」
「違うだぎゃ?」
「そう言われるとな」
 どうかとだ、室生も否定せずに返した。
「そうだな」
「おみゃあもそう思うだぎゃな」
「全くだ、ただ」
「ただ?」
「やはり違うとは思う」
 タラモサラダとマッシュポテトはというのだ。
「私としてはな」
「鱈子が入っているからだぎゃな」
「そうだ、似ていることは事実でもな」
「マッシュポテトはマッシュポテトでだぎゃな」
「タラモサラダはタラモサラダだ」
 そうなるというのだ。
「私はそう思う」
「そうだぎゃな」
「何といってもジャガイモも痩せた土地で育つでごわす」
 そこがいいとだ、北原は言うのだった。
「それが実によかでごわす」
「そこほんまに重要だぎゃ」
「全くだ」
 坂口も室生もそこは同意だった。
「米や麦が育たない場所でも育つ」
「それがいいだがや」
「おいどんは薩摩と大隅ば治めていたでごわすが」
 北原はまだこの世界に来たばかりの時のことも思い出していた、今ではもう懐かしいことになっている。
「この二国はこの世界でも桜島が噴火してばかりでごわす」
「それで火山灰が、だぎゃな」
「そうでごわす、長年降り積もって」
 そしてというのだ。
「火山灰の土地になってるでごわす」
「だからだぎゃな」
「土地は痩せているからでごわす」
「芋は有り難いだぎゃな」
「まさに主食でごわす」
 薩摩そして大隅ではというのだ。
「それでどれだけ助かっているか」
「まずは食べないとな」
 室生もその現実を指摘した。
「だからだな」
「そうでごわす、土地は痩せていても」
「食べることは必要だ」
「だからでごわす」
「芋はだな」
「これ以上はないまでに有り難い作物でごわす」
「それで主食にしているな」
 室生も
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ