後編
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り話を聞かされていたので、一目見てあなただということがわかりました。余計なこととは思いましたが、ついご挨拶代わりにメギドラオンを放ってしまった次第です。」
「あっ、そんな、助けてくれてありがとうございます。すっごく強いんですね。驚きました。」
なんか変わった人だ。
挨拶代わりのメギドラオンって、私に向けて放ったわけではないよね。
まあ、ともかく、自分がどこにいるかもわからずに、困っていたところだ。ベルベットルームの住人がいてくれるのは心強い。
「ところで、ここがどこだかわからなくて困ってたんですけど、わかりますか?」
私は訊いてみた。
「そうですね、ここは奇妙な場所です。タルタロスではありません。むしろベルベットルームに近いところ。」
エリザベスは落ち着き払って周りを見回す。
「ここには何者かの意思が働いています。あなた方の存在を邪魔と考え、この牢獄に監禁しようとする意志が・・」
「牢獄ですか。元の場所に戻れますか?」
「私は本来、直接関与することを禁じられている身ですが、今回はイレギュラーな事態。ここを出るまでは可能な範囲でお手伝いさせていただきましょう。」
私の問いかけに、何を考えているかわからない不思議な微笑みを浮かべつつ彼女は答えた。
「助かります。」
「それに私は私のお客人を探さなくてはなりません。あの方も、ここに引き込まれているはずです。とりあえずこの牢獄の主のところに参りましょう。おそらく私のお客人もそこにいらっしゃるでしょう。」
二人で並んで歩きながら、奥へと進むことになった。
先ほどのダメージは残っているものの、だんだん身体が動くようになってきた。
途中、何度かシャドウに出くわしたが、全てエリザベスが一撃で葬り去った。
それも、弟の恥ずかしい話などを楽しそうに暴露しながら、片手間で倒していく。
非常識な強さだ。頼もしいが、恐ろしい。
手助けすると言われたが、私自身は何もやることがない。
「いいんですか?」と尋ねると「あなたは今回の事態の元凶を倒す必要があります。それまでは体力と精神力を温存しておいてください。」と言われた。
そうこうしているうちに、やけに天井の高い、開けた場所に出た。
奥に石柱に囲まれた祭壇のような場所があり、何か巨大なものがうずくまっている。
「あれがこの牢獄の主です。私がお手伝いできるのはここまで。あれはあなたが自分で倒さなくてはなりません。」
私一人であの牢獄の主を倒す。そんなことができるのだろうか・・・。
「ここで出会ったシャドウは、すごく強かったよ。そのシャドウの親玉に私一人で勝てるかな。」
私は不安に駆られて尋ねた。
「まともに戦えば、今のあなたでは勝負にもならないでしょう。」
エリザベスがあっさり答える。
「そんな・・・」
「でも大丈夫です。あな
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