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ペルソナ3 夢幻の鏡像
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することができる。
人が進むのを拒んでいるのか、誘っているのかわからない。本当に不思議な迷宮。
「ひょっとして、なんか気を使ってくれた?」
転送ポイントを出たところで私はゆかりに訊いてみた。
ゆかりが振り向いてにこりと笑う。
「わかった? 今日、少し様子が変みたいだったし。念のため・・・ね。」
「心配させちゃったかあ。ありがとう。その気配り、きっといい奥さんになれるよ。」
「あなたぁ、ご飯にするぅ?お風呂にするぅ?それとも・・・シャ・ド・ウ?」
ゆかりが指さすその先にうごめく黒い影。まだこちらに気づいてはいない。
『右から回り込めば、シャドウを回避して階段に行けます。』
通信機から風花の声がする。
「どうする。今なら先制を取れるが?」という真田先輩に「まだスタートしたばかりです。
今は先に進むことを優先しましょう。」と答え、角を曲がって階段を目指す。

訪れた新しい階層はまた見慣れぬ景色だった。
床も壁も何か水晶のように透明度が高く平板な素材でできている。階層ごとにどんどん雰囲気が変わっていく。
見慣れぬ景色ではあるが・・・しかし、どこかで・・・
そうだ! これは昨夜の夢でみた場所だ。
『気をつけて・・・さい。そこ・・・なんだか変・・・ 』
ふいに風花の通信が切れる。
「風花、どうしたの!?」
「通信切れた?」
ゆかりが近づいてくる。
「どうした。」
ただならぬ様子に真田先輩と順平もこちらを振り向く。
その背後から・・・

突然の氷結攻撃に順平が転倒。真田先輩も膝をつく。
「シャドウ!」
何も無かったところに、前触れもなく突然シャドウが出現していた。
見るからに奇怪な姿。ねじ曲がったパイプの集合体のような体。手足が蛇の塊のようにうねっている。
身体の中央に巨大な仮面。
風化のフォローが無かったとはいえ、不自然なほどの奇襲攻撃だ。
ゆかりが倒れた二人に駆け寄る。
私は召喚器を頭に当てて「ペルソナ!」と叫んだ。
脳に軽い衝撃。一瞬、死のイメージが浮かぶ。
身体から抜け出るように私の分身が浮かび上がった。
まずは電撃。
敵にダメージはない。
続いて疾風攻撃。火炎攻撃。
次々とペルソナを変えながら魔法攻撃を放つが、敵シャドウにはほとんどダメージを与えられない。
「こいつ弱点はないの?・・っていうかこの辺のシャドウにしちゃ強すぎ!」
攻撃を続けながらシャドウの注意を引き付けて奥に移動する。
ゆかりが順平に回復魔法をかけているのが見える。ともかく倒れた二人から引き離すことが先決だ。
奇妙なデジャブ。
私は昨夜の夢での彼の行動をそっくりなぞっている。
何が起きているのかわからない。
敵の攻撃をかわし、カウンターでこちらから攻撃する。手一杯で頭が働かない。
ともかく奥へ、奥へ。

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