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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第66話
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中、エマは驚きの声を上げ、ユーシスは信じられない表情をし、アンゼリカは目を丸くしてレンに訊ねた。

「レーヴェの話にあったように、当時自分の名前が”トリシャ”である事以外は何も覚えていない記憶喪失で身元も不明で途方にくれていた彼女をほおっておけないエリウッドお兄様が彼女をメイドとして雇う事にしたのよ。記憶喪失で身元がわからない事から、最初はどこかの国の刺客かと怪しまれていたけど……気立てが良く、誰よりも働き者な性格だったから、周囲の人達も段々と彼女の事を信用し始めて、3年後に互いに相思相愛の間柄になった二人はめでたく結婚したのよ。」
「……………………」
「エリウッド公爵閣下のご両親や他のメンフィル皇家の方々、それに貴族の方々は反対しなかったのですか?」
レンの説明を聞いたマキアスは口をパクパクさせ、ラウラは信じられない表情で尋ねた。
「勿論あったそうだけど、直に彼女と会って彼女の人柄やエリウッドお兄様と相思相愛の間柄である事を悟ったエリウッドお兄様の母親であるサフィナお姉さまやパパ、それにシルヴァンお兄様も認めたから、二人の結婚は認められて多くの人達に祝福されて結婚したわよ。」
「な――――」
「母親もそうだが、リウイ前皇帝陛下や今のメンフィル皇帝もマキアスの従姉とエリウッド公爵という人物の結婚を認めたのですか……」
「前メンフィル皇帝の”英雄王”どころか、現メンフィル皇帝まで認めたら、さすがに二人の結婚を反対していた連中も認めざるを得ないでしょうね………」
「皇家の分家の当主と身元不明かつ記憶喪失の女性の結婚を皇帝が認める等、常識で考えれば信じられない出来事だがな。」
「フム………そのような普通に考えればありえない事に対する貴族たちの反対の声すらも黙らせるとは、ヌシ達マーシルン皇家はあらゆる意味で”強い力”があるようじゃの。」
レンの説明を聞いたマキアスは驚きのあまり絶句し、ガイウスは信じられない表情で呟き、セリーヌは呆れた表情で呟き、ユーシスは静かな表情で呟き、ローゼリアは興味ありげな表情でレンに視線を向けた。

「当り前でしょう?パパは何といってもメンフィル帝国初代皇帝にしてメンフィル建国の父だし、シルヴァンお兄様はパパと”メンフィルの守護神”と称えられたシルフィアお姉さんの息子だし、そもそも前から言っているようにメンフィルは”血統主義”のエレボニアと違って”実力主義”だから、”尊き血”は重視していなくてその人自身の実力や人柄を重視するし、メンフィル程の大国になるとわざわざ政略結婚をする必要もないから、基本レン達―――メンフィル皇家の人達は自分達で決めた伴侶との結婚が認められているのよ♪現にエリウッドお兄様の少し前に別のメンフィル皇家の分家の当主が傭兵の女性と恋仲になって、その傭兵を自分の正妻にしたわよ。」
「ええっ
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