第8章:拓かれる可能性
第233話「まだ、終わらない」
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先程のイリスの攻撃によって、八束神社のある国守山は消し飛んでいる。
その代わり、そこにあった霊脈がむき出しとなった。
それを、椿達は最大限に利用する。
「とこよ!」
「紫陽ちゃん!」
「了解!」
「任せな!」
四人同時に術式を発動する。
阻止しようと動く神達もいたが、立ち上がったサーラやユーリに牽制される。
僅かな時間、猶予ができ、術式が発動する。
「“領域”の共有を意図的には出来ない」
「でも、術式を繋げて霊脈とも接続する」
「そうすれば、存在強度は上がる」
「それが、対抗手段の一つって訳さ!」
霊脈の力が紫陽を経由してとこよへと集束する。
それは術式によって繋がる椿や葵にも効果が及んだ。
霊脈の力の共有をする事により、連鎖的に“領域”も共有したのだ。
「概念への知識は、私達も持ってるのよ。貴女達の専売特許じゃないわ!」
「雪ちゃん!司ちゃん!時間はあたし達で稼ぐから、準備よろしく!」
「うん!」
「分かった!」
椿達が用意した対策は、時間稼ぎへと使われる。
次の“対策”を使うために、四人と“対策”を使う者以外で敵を抑え込む。
「私と葵で優輝の相手をするわ」
「なら、あたしととこよを中心にして他の足止めだな」
「……行くよ」
椿が矢を優輝に向けて放ちつつそう言い、紫陽も無造作に霊術を“天使”の大群に放ちながら返事をする。
とこよが静かに刀を構え、戦闘が再開された。
「―――反撃よ!!」
抵抗は終わらない。
戦いは、ここからだ。
「ぁ……ぐ……!」
一方、その頃。
神界の一画にて、帝が満身創痍で膝を付いていた。
「くそっ……!」
すぐに立ち上がり、剣を生成してすぐ傍で爆発させる。
その爆風で、自力で動けない分大きくその場から回避する。
直後、寸前までいた場所を極光が貫いた。
〈マスター!これ以上はマスターの体が……!〉
「分かってる……っての……!」
エアからの警告を聞くが、帝は自爆を利用した回避を止めない。
最早、自分から避ける事が出来ないため、それしか避ける方法がないのだ。
「エアぁっ!!」
〈ッ、マスター……!〉
帝が神界に取り残されて、体感時間で数日が経過していた。
時間の概念がない神界では実際にどれほどの時間が経ったのかは不明だが、帝はその間ずっと逃げて隠れるのを繰り返していた。
「ぐ、ぅうううううう……!」
〈出力補助機能、全開です!ですが、このままだと……!〉
肉薄
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