第8章:拓かれる可能性
第233話「まだ、終わらない」
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いる。
その状態で弾幕のような閃光を躱すのは難しい。
何人かが閃光によって撃墜される中、何とか椿と葵が一足先に着地する。
「(この一撃で“天使”一人を倒す……!)『葵!攻撃!』」
「『任せて!』」
直後、葵がレイピアを複数生成し、イリスへと向けて放つ。
ソレラの“性質”により、それはあっさりと防がれるが……
「上等。それごと貫いてあげるわ」
―――“弓奥義・朱雀落-真髄-”
その上から、椿の矢が割り込んで防御した“天使”を貫いた。
「全員!!立ちなさい!!」
「まだ、終わってないよ!!」
言霊と共に、椿と葵が宣言する。
“繋がり”を施し、“領域”を共有した状態でのその激励は、今この場においてはかなりの効果を発揮した。
「っ……!」
椿の激励でまず立ち上がったのは司だった。
続けて、奏やなのは、緋雪と次々に立ち上がる。
そうはさせまいと、一部の神と“天使”が“性質”を使って妨害しようとする。
「させるかっての!!」
「凍てつけ!!」
そこへ、アリサとすずかが攻撃を仕掛け、妨害する。
さらに鈴や久遠が上空から矢や雷を放つ。
「……よくやったわ、司」
「何とか、間に合ってよかったよ……」
司がいくつもの剣に貫かれようとも魔法を唱えていたのは、このためだった。
あの時、魔法を中断させられて倒れたのではない。
魔法を発動させて、まだ負けていないと確信したからこそ、倒れたのだ。
……その時倒れても、すぐに立ち上がれると確信して。
「(……これで一つ確信できた。……理力は確かに万能。だけど、それは飽くまでそういう風に利用する場合のみ。意識して使わない限り、神は完全無欠じゃない!)」
本来であれば、椿達がアースラに隠れている事も、地上へ向けて不意打ちを狙っている事も見られていたはずだった。
しかし、宇宙にいた神と“天使”は油断しており、地上のイリス達も緋雪達へ意識を向けていたため、上を見ていなかった。
そのため、椿達の不意打ちに途中まで気づけていなかったのだ。
「(単純な弱点がある。……やっぱり、やりようはあるのね)」
だからこそ、椿は確信した。
“まだ抗える”と。
「まだ終わっていない。まだ、負けないわよ、イリス……!絶対に、優輝を返してもらうわよ!!」
「っ……次から次へと、しぶといですね……!」
矢を番えた弓をイリスに向け、椿はそう宣言する。
葵も、アリサやすずか、遅れて降りてきた鈴達もその意志は同じだ。
「私達が何も対策していないとでも?」
「霊脈がむき出しになったんだから、それを活用しない訳がないよねぇ!!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ