暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第233話「まだ、終わらない」
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いる。
 その状態で弾幕のような閃光を躱すのは難しい。
 何人かが閃光によって撃墜される中、何とか椿と葵が一足先に着地する。

「(この一撃で“天使”一人を倒す……!)『葵!攻撃!』」

「『任せて!』」

 直後、葵がレイピアを複数生成し、イリスへと向けて放つ。
 ソレラの“性質”により、それはあっさりと防がれるが……

「上等。それごと貫いてあげるわ」

   ―――“弓奥義・朱雀落-真髄-”

 その上から、椿の矢が割り込んで防御した“天使”を貫いた。

「全員!!立ちなさい!!」

「まだ、終わってないよ!!」

 言霊と共に、椿と葵が宣言する。
 “繋がり”を施し、“領域”を共有した状態でのその激励は、今この場においてはかなりの効果を発揮した。







「っ……!」

 椿の激励でまず立ち上がったのは司だった。
 続けて、奏やなのは、緋雪と次々に立ち上がる。
 そうはさせまいと、一部の神と“天使”が“性質”を使って妨害しようとする。

「させるかっての!!」

「凍てつけ!!」

 そこへ、アリサとすずかが攻撃を仕掛け、妨害する。
 さらに鈴や久遠が上空から矢や雷を放つ。

「……よくやったわ、司」

「何とか、間に合ってよかったよ……」

 司がいくつもの剣に貫かれようとも魔法を唱えていたのは、このためだった。
 あの時、魔法を中断させられて倒れたのではない。
 魔法を発動させて、まだ負けていないと確信したからこそ、倒れたのだ。
 ……その時倒れても、すぐに立ち上がれると確信して。

「(……これで一つ確信できた。……理力は確かに万能。だけど、それは飽くまでそういう風に利用する場合のみ。意識して使わない限り、神は完全無欠じゃない!)」

 本来であれば、椿達がアースラに隠れている事も、地上へ向けて不意打ちを狙っている事も見られていたはずだった。
 しかし、宇宙にいた神と“天使”は油断しており、地上のイリス達も緋雪達へ意識を向けていたため、上を見ていなかった。
 そのため、椿達の不意打ちに途中まで気づけていなかったのだ。

「(単純な弱点がある。……やっぱり、やりようはあるのね)」

 だからこそ、椿は確信した。
 “まだ抗える”と。

「まだ終わっていない。まだ、負けないわよ、イリス……!絶対に、優輝を返してもらうわよ!!」

「っ……次から次へと、しぶといですね……!」

 矢を番えた弓をイリスに向け、椿はそう宣言する。
 葵も、アリサやすずか、遅れて降りてきた鈴達もその意志は同じだ。

「私達が何も対策していないとでも?」

「霊脈がむき出しになったんだから、それを活用しない訳がないよねぇ!!」
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