第8章:拓かれる可能性
第233話「まだ、終わらない」
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から強さを一切読み取れない事から、士郎はそれだけで尋常な相手ではないと見抜く。
「……美由希、時間を稼ぐ間に武器を……」
「お父さん……!?」
自分の強さがどこまで通じるのかわからない。
それでも、士郎は家族を守るために矢面に立つ。
「(あなた……)」
その様子を、桃子は黙って見ているしかなかった。
戦う力がない彼女の事を考えれば、それも仕方ない事ではある。
「………」
だからこそ、桃子はせめて士郎を信じる事にした。
勝てるはずがない。それを分かっていても、可能性を信じて。
「………!」
緋雪達が全滅し、誰もが倒れている中。
最初に気付いたのは優輝だった。
イリスを庇うように、飛んできた“ソレ”を弾く。
否、弾ききれずに逸らすに留まった。
「狙撃……!?」
それを見てソレラが驚愕する。
既に緋雪達は全滅している。そのはずなのに攻撃が飛んできたからだ。
「上……!」
祈梨が攻撃の飛んできた方向を睨む。
直後、矢の雨が神々を襲った。
一射一射が大地を穿つ威力。物理的な威力なら、神界の神々にとっても脅威だ。
「舐めるな……!」
一人の“天使”が迎撃しようと動く。
振るわれた理力の一撃が、矢を迎撃しようとし……
「ぁ……?」
飛んできたレイピアによってその理力が逸らされ、“天使”は矢に貫かれた。
「……まだ、足掻きますか」
イリスの呟きと共に、理力が地上から天に向けて砲撃として放たれる。
降り注ぐ矢とレイピアの雨は、その攻撃に悉く迎撃される。
そんな中、砲撃を掻い潜るように二つの影が落ちてくる。
「防いで!」
「ッ……!」
落下地点から全方向に向けてレイピアが飛ぶのと、ソレラの叫びは同時だった。
剣山のようなレイピアの雨は、防御態勢に入った“天使”達に防がれる。
「上等。それごと貫いてあげるわ」
―――“弓奥義・朱雀落-真髄-”
直後、より強力な威力と貫通力を持つ矢によって、“天使”が貫かれた。
「全員!!立ちなさい!!」
「まだ、終わってないよ!!」
アースラごと墜とされたはずの椿と葵。
その二人が、そこにいた。
―――時は少し遡り……
「『……かやちゃん、生きてる……?』」
神界の神々の攻撃によって全壊したアースラ。
その残骸にへばりつくように、葵はそこにいた。
「『……生きてる訳、ないでしょ…
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