第8章:拓かれる可能性
第233話「まだ、終わらない」
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―――……可能性を見た。
―――どんな絶望に塗れても、潰えない可能性を見た。
―――暴走する大切な少女を助けるために、決して諦めない可能性を見た。
―――家族を喪おうと、一人でも生きる可能性を見た。
―――……可能性を秘めているのは、彼だけじゃなかった。
―――恋人のために、戦う可能性を見た。
―――裏切られた復讐を為す、その覚悟の可能性を見た。
―――誰の為でもなく、ただ“生きたい”ために戦う可能性を見た。
―――今までの家業から足を洗ってでも妻を守る可能性を見た。
―――可能性を見た。可能性を見た。可能性を見た。可能性を見た。可能性を見た。
―――善なる存在であろうと、悪なる存在であろうと、可能性はあった。
―――………こんな私も、可能性を見せられるのだろうか?
―――どんな“闇”でも、可能性はあるのだろうか?
―――そうであるならば、私も彼のように………
「―――子……!桃子……!」
「っ……何が……?」
なのはの家があった場所。
そこは、神界の神々の攻撃により、他の建物諸共崩れ去っていた。
瓦礫の中から、桃子は士郎によって助け出される。
「……なのはや皆は、負けたの……?」
「………」
同じように瓦礫から這い出てきた美由希が、絶望したように言う。
その言葉に、士郎も桃子も返事を返す事が出来ない。
「……恭也は、無事かしら……?」
「……この有様だと、多分月村邸も同じようになっているだろう……」
「………」
唯一恭也は、月村邸にいたためにこの場にはいない。
だが、状況は向こうも同じだろうと士郎はあたりを付ける。
「……構えるんだ。美由希」
「っ……!」
士郎の言葉と同時に、美由希が構える。
武器は近くにない。それでも、士郎と美由希は常人に比べればかなり強い。
「―――なるほど。これが、なのは達が相手していた奴らか……!」
見上げた先には一人の神とその眷属の“天使”達。
その気配
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