暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
愛を唄う花と雪(バレンタインデー特別編)
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スからの提案で、響達はチョコを刻んでいた。

なるべく細かく刻んだ方が、湯煎した時に溶けやすくなる。四人は美味しいガトーショコラの完成図を思い描きながら、それぞれチョコをボウルへと移していった。
ちなみにボウルの数は三つ。それぞれクリス、響、そして皆で食べるもので三つ分だ。

「そーいやクリス先輩、このガトーショコラって彼にあげるんですよね?」
「うん。純の、大好物なの……生チョコ風ガトーショコラ」
「へぇ、爽々波くんって甘党なんだ〜」
「爽々波くん?」

首を傾げる響に、創世が答える。

「そうそう、爽々波くん。きねクリ先輩の彼氏、アイオニアンの一年生なんだって」
「スポーツ万能、成績優秀。眉目秀麗で、その上性格も申し分無し。『アイオニアンのプリンス』と呼ばれている、リディアンでも噂の美男子ですわ」
「そう。純は、わたしが困った時は、絶対に助けに来てくれて……私が泣いてる時は、笑顔をくれる。優しくて、かっこよくて、でもちょっと危なっかしくて……だけど、どんな時でも、わたしを想ってくれている。わたしの、最高の王子様なんだ」

自慢げに語るクリス。響は彼女が心の底から恋人を想っているのだと知り、心の中でごちそうさま、と呟いた。

「アイオニアン……って事は、翔と同じか……」
「もしかして、立花さんの彼氏さんも、アイオニアンにいるの?」
「まあね……」

この流れは、翔とのあれこれを洗いざらい喋らされる展開だと察し、素っ気なく流そうとする響。

しかし、そうは問屋が卸さない。
弓美がすかさず話題を掘り起こす。

「クリス先輩!響の彼氏はね〜、あの風鳴翼さんの弟なんですよ!」
「えっ!?あの翼先輩の!?」
「ちょっ、ちょっと弓美!」
「しかもゾッコンでさ〜。人目が合ってもイチャイチャしてるもんね、ビッキーとザナリん」
「創世も!余計な事言わないでよ……」
「最近、翔さんとはどうなんですか?気になります!」
「詩織まで……」

四面楚歌に追い込まれ、歳上であるクリスに助けを求める視線を送る響。
しかし、クリスからの答えは……。

「わたしも、聞きたい。……お菓子には、食べて欲しい人への、気持ちが現れる。大好きな人の、話をしながら作れば、きっと美味しく仕上がるから……」

響の期待しているものとは、真逆の答えであった。

「うう、クリス先輩まで……」
「ちょこっとくらい、いいでしょ?チョコが溶けきるまでに」
「あーもうッ!わかったから!そんなに催促するなぁ! 」
「最速で催促」
「その意味不明な駄洒落はどこから湧いてくるの……」

こうして響は、チョコが溶けるまで……いや、溶けたチョコにバターと生クリームを混ぜるまでは、翔との思い出を語った。

一方、クリスも溶き卵と薄
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