暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
愛を唄う花と雪(バレンタインデー特別編)
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ですか?」
「いや、別にそういうわけじゃ……って、ちょっと!何でそこで翔の名前が出て来るのよ!」

詩織にまで誘導尋問で弄られながら、響は時計を見る。

「それで、その先輩ってのはいつ来るの?」
「もうそろそろ来てもいいと思うんだけど……」

ちょうどその時、玄関のチャイムが鳴る。

「お、噂をすれば……ですわね」

詩織が玄関へと向かう。

「ごめん……。家に、忘れ物しちゃって、戻ったら、遅れちゃった」
「大丈夫ですよ。皆集まったところですし……そうそう、実は友達がもう一人来て──」

玄関からやって来たその人物に、響は目を見開いた。

「あ……あんたは!!」
「え?……ああ!さっき、デパートで会った……」
「え?なになに?ビッキー、きねクリ先輩の知り合いなの!?」

そこに居たのはつい先程、チョコレート売り場で出会った銀髪の少女であった。



「じゃあ、改めて。わたしは、雪音クリス。クリスでいい。よろしく」
「わたしは立花響。よろしく……」
「立花さんの事は、詩織ちゃん達から、よく聞いてるよ」
「へぇ……そうなんだ……」

(歳下だと思ってたんだけど……まさかリディアンの二年生、わたし達の先輩とは……)

響はクリスの姿を、頭のアホ毛から爪先の先までじっくりと凝視する。

「そ、そんなに、じっくり見ないで……。恥ずかしい、から……」
「ん?ああ、ごめん……」

クリスから視線を外すと、弓美がニヤニヤと笑っていた。

「なにニヤニヤしてんのよ」
「いや〜、初めて会った子は皆、アンタと同じ反応するから可笑しくってw」
「弓美ちゃんは、ガトーショコラ、要らないって事で、いいんだね?」
「ええっ!?クリス先輩、そりゃないですよ〜!」
「わたしの身長の話は、もっと()()にしてよね」

ふふん、と鼻を鳴らすクリス。
しかし響はあまりにも唐突なそれに、一瞬固まっていた。

「……えーっと、今のは……?」
「あー、今のは『身長』と『慎重』を掛けたダジャレでね〜」
「もうっ!創世ちゃん、解説しないでって、言ってるじゃん!」
「ね?クリス先輩、面白い人でしょ?」
「うーん……うん?」
「さあ!自己紹介も終わりましたし、そろそろ始めませんか?」

人数は一人多いものの、気づけば響の周囲は、いつものリディアンと変わらない空気になっていた。

友人達が笑い合い、その輪の中に自分がいる。それは、これまでずっと遠ざけ続けていた世界で、今となっては彼女にとっての尊い日常の一部なのだ。

こうして乙女五人による、賑やかなお菓子作りが始まった。



クッキーの型抜きを早々に終え、焼き上がるまでの間にガトーショコラを作ってしまおう。

クリ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ