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おっちょこちょいのかよちゃん
34 大雨に動き出す者
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れ!!」
「え?」
 大野の両親は驚いたが、兎に角息子に従う事にした。そして大野は同じく避難に動く人々に呼びかける。
「この木の葉の上に乗ってくださーい!」
 大野は人々を巨大な木の葉の上に乗せて公民館へ運んだ。
「よし!父さん、母さん、俺は他に避難に遅れてる人を運んでくる!」
 大野は公民館を離れて救出に動き出す。

 かよ子達は救出を続けると、そこにまた知っている少年少女を見つけた。長山と小春、そしてその両親である。北勢田の家族もいた。
「あ、長山君、小春ちゃん!!」
「山田!?杉山君も!」
「長山あ!お前もこれに乗れえー!」
「う、うん!」
 長山は家族で戦艦に乗った。北勢田やその近所と思われる人達も乗せた。
「ありがとう!溺れるところだったよ」
「う、うん・・・」
「北勢田、無事で良かったよ」
 長山は向かいの知り合いが見知らぬ高校生男子と知り合いで驚いた。
「お兄さん、この人知ってるのかい?」
「ああ、同じ学校だよ」
「長山君には紹介がなかったね。俺は三河口健。北勢田の学校の友人で山田かよ子ちゃんちの隣の家に居候しているよ」
「よ、宜しくお願いします。でも、これ、戦艦かい?凄いよ!」
「こ、これね、このおばさんが出してくれたんだよ」
「何か不思議な能力(ちから)でかい?」
 長山は鋭い。
「ええ、この護符の力でね」
 さりは自分の母が持つ護符を指して答えた。
「私は羽柴さり、私のお母さんがこの護符を持ってるの」
「杖に護符、か・・・」
 長山はかよ子の杖と奈美子の護符を照らし合わせて考える。
「どうしたの?」
 かよ子は博識な男子に質問する。
「ああ、杖に護符ってそれぞれトランプのクラブとダイヤに当てはまるんだ」
「それがどうかしたのか?」
「トランプではスペードは剣、クラブは杖や棍棒、ダイヤはコインとか護符、そしてハートは聖杯、いわゆるカップを意味してるんだ。もしかしたら・・・」
「もしかしたら?」
「今、この日本のどこかにスペードに相当する物とカップに相当する物があってそれを誰かが持っているんじゃないかなってね・・・」
「そうね、会ってみたいわね」
 そう話しているうちに他の助けを求める人が現れた。かよ子達は救出作業を再開した。

 冬田は飛行機を発見した。そして自分の所へ接近する事に気付いた。
「ええ!?何で私に近づいてくるのお!?」
 冬田は飛行機を避けようとした。しかし、飛行機は追ってくる。
「逃げても無駄だぜ・・・」
 男は飛行機のドアから出て手榴弾を投げた。その手榴弾は紙飛行機のように真っ直ぐ飛んで、冬田の羽根の後方で爆破した。冬田はバランスを崩され、羽根から落ちそうになった。羽根の先を掴んでなんとか落下を回避した状態となった。そして飛行機に先回り
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