暁 〜小説投稿サイト〜
おっちょこちょいのかよちゃん
34 大雨に動き出す者
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
こんな事言っては信じられないかもしれませんが、かよちゃんは以前に命がけの戦いをした事がありました。その時、息子さんやその親友の大野けんいち君の協力もあって乗り切ってきたのです。俺もさとし君の協力があると十分助かります。俺からもお願いします」
(お兄ちゃん・・・)
 かよ子の両親もさりの両親も同感に思う。
「そうね、異世界からの敵を倒せたのも杉山君がいたからよね」
「そうだな、あの時は感謝してるよ」
「皆さん・・・。分かりました。では、私達も協力します。さとし、迷惑かけるんじゃないわよ」
「おう!」
 杉山の家族も加えて一同は救出作業を再開した。

 公民館の中、すみ子は震える。
「お兄ちゃん・・・!」
「すみ子?」
「やっぱり胸騒ぎが止まらない・・・!!」
「やっぱり異世界からの敵か?」
 濃藤は妹の正常ではない様子に、自身も胸騒ぎが激しくなり始めた。
「父さん、母さん、俺、すみ子をトイレへ連れてくよ」
 濃藤は両親にそう言って妹を外へ連れ出した。
「やっぱり来てるよ、敵が・・・!」
「そのようだな、行ってみよう」
「うん・・・」
 すみ子はイマヌエルから貰ったあの銃を手放さず持っていた。高地にある公民館の玄関から見ると、低地の道路は地面が見えず最早水路のようになっている。
「お兄ちゃん、水の中、進めるようにやってみるよ・・・!」
 すみ子は銃の引き金を引いた。すると、二人の周囲にボール膜ができて、閉じ込めた。
「これで濡れずに水の中に進めるわ・・・!」
「よし!」
 濃藤兄妹は膜を低地の方へ飛ばし、浸水中の道路の中を進んだ。

 飛行場に着陸した後、二人組の男は大雨の中、再び離陸した。
「弟よ、素晴らしいな!こんな大変な事になれば、人は動かぬはずがない!」
「ああ、後は例の物を手にして、その持ち主を抹殺するだけだな」
 その時、二人は上空に飛んでいる「何か」を発見した。
「兄貴、女の子が空を飛んでるぞ!!」
「もしかしたら、『平和を司る世界』からの羽根を使ってるな!」
「ここは生け捕りがいいか?」
「そうだな、何か知っているかもしれんな、それで吐き出させるか」
 飛行機は上空を飛行する少女に接近した。

 大野は家族で避難する途中だった。だが、水位が上がり過ぎて、坂を登るにも大量の雨水がなだれ込み、苦労していた。
「くそっ、ひでえ雨だな・・・!!」
 大野は為す術はないか考えた。
(『あれ』を使ってみるか・・・!!)
 大野は嘗て杉山、ブー太郎、そしてまる子と共に森の石松から「能力(ちから)の石」貰った。大野は植物を出し、自在に操る「草の石」である。大野はその能力を行使してみることにした。その時、芽が出て、巨大な葉を作り出した。
「よし、父さん、母さん、この葉の上に乗ってく
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ