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おっちょこちょいのかよちゃん
34 大雨に動き出す者
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 冬田は羽根に乗って大野を探し続ける。
(大野くうん・・・、待っててえ・・・!!)
 冬田は大野を捜索しながら大野から感謝され、「俺、お前が好きになっちまったよ」と言われる様子を妄想した。
(やあん、大野くうん・・・)
 その時、冬田は飛行機が飛んでくるのが見えた。
「なんでこんな天気に飛行機が飛んでるのお・・・!?」

 かよ子は杉山の家族を発見した。杉山の家は床上浸水しており、家族は二階に避難している。
「す、杉山君・・・!!これに乗って!!」
「え?山田あ!?」
 杉山はかよ子が戦艦のような物体に乗っているのが見えた。
「乗ってくれ!」
 三河口も促す。戦艦を何とか杉山の家の二階の窓に近づけた。
「お、おう!」
 杉山達は戦艦に乗った。
「杉山君、無事で良かった・・・!」
「ああ、サンキューな。でも、これ、なんだ?」
「このおばさんが持ってる護符の能力(ちから)で出した戦艦だよ」
「すげえ!」
 かよ子はさりを紹介する。
「この人はそのおばさんの子だよ」
「かよちゃんの隣の家に住んでいた羽柴さりよ。宜しくね」
「ああ、どーも」
 次にさりが三河口を紹介する。
「こっちは私の従弟の三河口健よ。今、私の実家で居候してるの」
「君が杉山君か。君の活躍も見ていたよ」
「そうなのか?」
「ああ、アレクサンドルとアンナの兄妹との戦いも、オリガや丸岡との戦いもかなり奮闘していたね」
「ああ・・・」
「皆、兎に角中に入って」
 奈美子は杉山の家族を戦艦の中に入れた。
「おばさん、俺も何かできる事があったら手伝います!」
 杉山はかよ子の母やさりの母に協力を申し出た。
「そうね」
「ちょっとさとし、出しゃばるんじゃないよ」
 杉山の姉が注意しようとした。
「姉ちゃん、助けてもらったんだ、何もしねえわけにはいかねえよ!」
「何言ってんの、こんな大変な時に!」
 杉山の母も息子を止めようとする。
「あ、あの、おばさん、お姉さん・・・!!」
 かよ子は杉山の母と姉に顔を向けた。
「え?」
「す、杉山君は、私が困った時に色々と助けてくれたんです・・・。だから出しゃばりなんかじゃありません!私も本心では杉山君を頼りたいんです。私はおっちょこちょいだし・・・、それに、私・・・」
 かよ子は恥ずかしがりながら台詞の続きを言おうとする。
「す、す、杉山君の事が好きだから・・・!!」
 かよ子は告白した。杉山の姉や両親は杉山さとしに恋する女子が今この場所にいると分かって胸がざわついた。
「さとしが、好き・・・!?」
 かよ子は自爆してしまったと感じた。
「はい・・・」
 三河口も立ち上がる。
「杉山さとし君のお母さん、お姉さん。俺はかよ子ちゃんの隣の家に居候している三河口健というものです。
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