第百四十一話 セビーリャ沖の湖戦その五
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「これも怖いからな」
「パンもですか」
「食わないとな」
「いけないのですね」
「それでチーズもな」
こちらの食べものもというのだ。
「しっかりとな」
「食べないとですね」
「駄目だしな、保存状態には気を使ってるしな」
このことはチーズだけではない、食べもの全体についてだ。水も湖の水を飲んでいるが事前に沸騰させて飲ませている。これは衛生を考えてだ。
「食ってな」
「栄耀のことをですか」
「考えないとな」
チーズから蛋白質等の摂取を考えているのだ。
「ちゃんとな」
「そういうことですね」
「すぐに食わないといけなくてもな」
時間的な関係でだ、食事中に攻撃を受けて敗れた事例も多く久志もこのことをよく認識しているのだ。
「栄養のことはな」
「しっかりとですか」
「頭に入れて」
そしてというのだ。
「食わないとな」
「駄目ですね」
「ああ、じゃあパンにチーズに」
それにだった。
「果物もな」
「食べますね」
「バナナと」
それにだった。
「ライム搾った汁もな」
「飲まれますか」
「ああ、まあライムの汁飲んだら」
その時のこともだ、久志は話した。
「歯を磨かないとな」
「駄目ですか」
「あれはビタミンはあるけれどな」
それで飲むと壊血病にならないがというのだ。
「歯に悪いからな」
「だからですね」
「夜はちゃんと歯を磨かないとな」
そうしなければというのだ。
「後で虫歯になるんだよ」
「虫歯ですか」
「これは実は怖いからな」
久志は士官に虫歯のことも話した、実は彼は軍だけでなく領民達に対しても入浴そして歯磨きをすることを勧めているのだ。
「健康とか寿命にも関わるんだよ」
「そうですか」
「いざって時に歯が痛いとな」
それでというのだ。
「身体に力が入らないだろ」
「歯を噛み締めることが出来ないで」
「そうもなるからな」
だからだというのだ。
「歯のことはな」
「しっかりと、ですか」
「その為にも歯磨き粉を積んでるんだよ」
「虫歯にならない為に」
「船には風呂はないのは仕方ないさ」
この浮島の船達にはない、そこまでの余裕はないのだ。
「けれどな」
「それでもですね」
「ああ、それでもな」
「歯磨きについては」
「毎日な」
「しないと駄目ですか」
「ライム汁飲むのは絶対ならな」
それならというのだ。
「歯も磨かないとな」
「後で虫歯になるからですか」
「皆磨けよ、毎日な」
「虫歯になるな、ですか」
「それも戦のうちだよ」
まさにというのだ。
「だからいいな」
「わかりました、それでは」
「貴官もな」
「歯磨きは忘れないです」
「そういうことでな、それじゃあ食うか」
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