其の壱 四番目の鬼神様
第六話 怪異というもの
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???なのに、元宮は退かなかった。
それどころか、恐れて目を瞑ることすらしない。
「……っ!」
刀は少しだけ元宮の胸を抉っただけに済んだ。
四番目は刀についた血を振り払ってから、ようやく刀を鞘に収めた。
「……好きにしろ、馬鹿者」
そして、深く帽子を被り直しながら、その場を後にした。
???アンタは怪異というものを知っているかい?
人間だった者が死んで怪異となる事もあるし、動物だった者が死んで怪異となる事もある。
彼らは、人間同様多種多様なんだよ。
彼らは強い想いを持って怪異となる。そりゃそうさ、生きたくなけりゃあ死ねばいいからね。
罪を償いたい、誰かに会いたい。そんな願いを持っているから、怪異として生き返るんだ。
彼らは戦う術を持っている者が多い。それらは生前によく使っていた、思い入れのあるものを武器にする事もある。
例えば『愛の桜』の怪異。銃で沢山の者を殺したから、男は銃を。糸で沢山の患者を縫ったから、女は糸を持っている。
彼らはそれぞれが依代を持っている。その依代が破壊されれば、怪異自体も消滅する仕組みになっているんだって。
依代が気付かぬうちに破壊されて死んでしまうというケースも少なくはないらしい。
怪異というものは、人間とは異なる特殊な存在である。
生い立ちが違えば、それぞれが抱く想いも違う。扱う武器も、依代も、全部全部違う。
ここに出したもん以外も、違うもんがたっくさんあるんだよ。
ホラ、お前さんの後ろにだって、怪異がいるかも知れんだろ? ヒヒッ???
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