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夢幻水滸伝
第百二十三話 台風の中へその六
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「私は」
「そうなのですね」
「起きた世界でもね」
「おい、あんた手芸部だろ」
 雪路が起きた世界でも一騎打ちが好きだと言ったのを受けてだった、有島は彼女にどうかという顔で突っ込みを入れた。
「それで一騎打ちが好きってのはどういうことなんだい」
「いや、喧嘩はしないけれど」
「それでもかい?」
「手芸でね」
 それでというのだ。
「勝負するのは好きなんだよ」
「そういうことかい」
「そうなのよ、身体が大きくてね」
 それでとだ、雪路は笑って話した。
「しかもこっちの世界ではストリートギャングで」
「種族でもって言うんだな」
「バーバリアンだしね」
 それでというのだ。
「色々喧嘩っぱやいって言われてるけれど」
「実はっていうんだな」
「そのつもりよ、本当に手芸好きで」
「あとお料理も得意ですね」
「そうなのよ、これが」
 雪路は正宗にも答えた。
「ちゃんぽんだって作るし」
「ちゃんぽんというと」
「そう、長崎ちゃんぽんばい」
 雪路は九州弁も出して話した。
「あれも作るから」
「そうなのですね」
「女の子には以外と家庭的と言われてるけれど」
「実際に家庭的ですね」
「手芸にお料理が好きだから」
「乙女なのですね」
「女の子からはそう言われてるわ」
「それでそういうので勝負か」
 有島はあらためて述べた。
「喧嘩はしないんだな」
「暴力じゃなくて武力を備えろって」
 その様にとだ、雪路は有島に話した。
「考えているから」
「そうだな、喧嘩は暴力だ」
 有島は雪路の言いたいことを理解して述べた。
「それでしかないからな」
「暴力は弱い相手に振るったり感情の赴くままに使ったり」
「そうしたものだな」
「そんなものよりも」
 それこそというのだ。
「武力、誰かを守ったり感情を抑えて使う力を身に着けて使う」
「それを備えてるっていうんだな」
「私としては。だから勝負は好きでも」
「手芸や料理か」
「あとイラストも」
 それもというのだ。
「好きだし」
「イラストレーターでもあるんだな」
「こっちの世界でも描いてるし」
「じゃあ早速描いてくれるか」
 有島は雪路のその話を聞いて早速だった。
 イラスト用の紙と二十四色の色鉛筆を出してきた、この世界ではこうしたものも出て来ているのだ。
「よかったら」
「あっ、それじゃあ」
 雪路も応えてだ、そのうえで。
 色鉛筆を借りて紙にイラストを描いた、それはアニメ調のものでしかもかなり細かいところまで描かれた丁寧なものだった。
 その絵を観てだ、有島はこう言った。
「上手いな」
「そうですね」
 正宗もその絵を観て言う。
「それもかなり」
「絵は人を表すというにしても」
 有島はイラストと雪路自
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