33 夜中の大豪雨
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床上浸水で二階へ避難する人達の救出に乗り出し、戦艦で公民館へと送っていた。その時、かよ子は聞き覚えのある声を耳にした。
「助けて〜!!」
「あ、たまちゃん!!」
かよ子はクラスメイトの穂波たまえが両親と共に屋根に登っているのが見えた。
「かよちゃん、確か君はフローレンスから不思議な羽根を貰っていなかったか?」
「え?あ・・・!!」
かよ子は三河口の言葉で寝た子を起こされた気分になった。杖を持ってきたのにあの羽根を忘れてしまった。この一大事におっちょこちょいをやってしまった。
(どうか、あの子を・・・!!)
さりはそう考えると、急に奈美子の護符が震えだした。護符が光ると、急にたまえの家族が瞬間移動したかのように戦艦のデッキに移動した。
「かよちゃん!」
「たまちゃん、よかった〜、無事で・・・!」
「どうもありがとうございます」
たまえの両親も礼をした。しかし、かよ子はなぜたまえ達が瞬間移動できたのか気になった。自身は杖を使用していない。
「い、今のはおばさんが・・・!?」
かよ子はおばさんが能力を行使したのかと思った。
「え?何もやっとらんよ」
「じゃあ、お兄ちゃん?」
「いや、俺にはそんな能力はないし、護符の力は使えない」
三河口も否定した。
「さりちゃん」
三河口は従姉に質問する。
「もしかして、この子達を助けたいと思いませんでしたか?」
「う、うん、そうなんだ」
「もしかしたら、さりちゃんの能力で護符が動いたのかもしれませんね」
「そ、そうなんだ、凄いよ!!」
「そうかな・・・?」
「兎に角、皆を公民館に運ぶよ!」
「はい!」
一行は救出した人々を公民館に連れて行き、そこで降ろした。そしてまだ救助待ちの人々を助けに浸水しゆく低地へと戦艦を動かした。その一方で三河口は胸騒ぎがなぜか収まらなかった。次は別の地区を廻る。その時、かよ子は好きな男子の姿が見えた。
「す、杉山君・・・!!」
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