第5話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
・・・・・』
アナザージオウは大きく地面を転がる。アナザービルドはアナザージオウの首を掴むと、これまでの鬱憤を晴らすように、何度も何度も顔面を殴ってくる。 1発、また1発と思う度に意識が飛びそうになる。もう一発攻撃をもらう、といったタイミングで何故かアナザービルドは攻撃を止め、ある方向に視線を向ける。
『・・・・・・らにも、・・・・・・もらうか』
『ぐぉっ! がっ・・・・・・』
アナザービルドは何か呟くと、アナザージオウの身体は宙に舞い、地面に打ち付けられる。打ちつけた衝撃に思わず悶える。だが、距離を取れた今ならーー
しかし立ち上がった所で、鉛のような何かがコチラへと放たれた、両手で防ぐ。地面に転がっていた物を見て、放たれた方向へ視線を変える。
そこには、得物を取った兵士達。アーミー色の服装に、銃、グレネード、ナイフ。その後ろで、桑や石等といった物を持つ人達。 物は違えど、そこには俺に対する憎悪の視線が込められていた。
「出てけ! 化け物が!!」
「お前らのせいで俺達の生活は滅茶苦茶だ!!」
「人殺し!!」
「消えろ!!」
どれだけ罵倒されようと、彼らにとっては俺達は敵でしかない。容赦なく浴びせられる銃撃の嵐。 琴音がただ1人止めてと叫ぶも、銃声に為す術もなく掻き消される。
手を交差してやり過ごすが、体力の残っていない俺に無力化する余力も無く、地へと這い蹲る。
『ぁ・・・・・・が』
『・・・・・・どうだ! 辛いか? 辛いよなぁ!? お前がこーーんだけニンゲンの味方をしたところで、周りは罵声を浴びせられるのだからなぁ! お前を排斥しようとする! そんなニンゲン達に、なんの価値がアル!』
大袈裟な動きを入れて煽る扇動者のようにそこまで言った所で、アナザービルドはアナザージオウの肩を叩く。
『正義の味方を騙るのなんてやめて、ニンゲン共を殺せ。強者に怯え排斥しようと躍起になる弱者など、この世界には要らない存在ダ』
『・・・・・・なに?』
俺が無言で這い蹲っている事を余所に、アナザービルド数少ない民衆たちへと狙いを定め、進んでいく。
それが、無性に腹が立った。
『るせぇ・・・・・・』
『ん?』
『うるせぇて言ってんだ!!』
気づけば、俺は声を荒らげて叫んだ。 その言葉に、得物を構えた民衆も、アナザービルドも、琴音も動きが止まる。
痛みを堪え、歯を食いしばりながらゆっくりと立ち上がる。
確かに俺のやってる事は偽善だ。今更正義のヒーローぶる行為なんて、それこそ醜悪極まりない愚行だ。そんなのは俺が良く分かってる。でも、ライダーの力は誰かを支配する為にあるんじゃない。
誰かの明日を、希望を、平和を、未
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ