第4話 出会い、歩み寄る者達・事情と理由と旅立ちと
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ずすと握りしめ、すぐさま自分の部屋に向かい着替える。
逃げることは頭にあっても、それに適したような服装はなく、結局いつも着ているようなワンピースドレスを着こむ。
2つの指輪に紐を通し、首にかける。
その時、城の入り口で人の声がする。
もう気付かれた!
次の瞬間、彼女は駈け出し、正面とは別の入り口から城を脱出した。
その時、見られていないと思ったが、中を検分していたあのローブを着た下衆に姿を見られ、その後1週間追われ続け、昨日に繋がると言うわけだ。
・・・・・・話し終え、震える彼女を抱きしめる。
「ありがとう・・・よく話してくれたわ」
聞いた限り、ほぼ原作と同じ流れだった。と言う事は彼女の復讐すべき相手はまだ生きている。
そいつの名は『造物主』
後の戦争の黒幕にして、『魔法世界』を作った存在。
その辺を含めて、今度は私が話し始めた。
この世には、神と天使が治める『天界』、魔王と悪魔が治める『魔界』が1つずつ存在する。
そして、神や魔王が管理者として管理する『人間界』が無数に存在する。
私は元々別の人間界に存在していたただの人間。
それが管理者候補として力をもらい、この人間界の管理にやってきた。
「それじゃぁ・・・シルヴィアさんは、神様なんですか?」
「まぁ・・・見習いみたいなものだけどね。急にこんな話して、すぐには信じられないわよね」
「いえ・・・シルヴィアさんが嘘をつく必要はないですし」
そうして笑いかけてくれるエヴァちゃんを抱きしめながら話を続ける。
今回私が介入した人間界は、そんな多数の中の1つで、ここは2つの世界によって成り立っている。
すなわち、普通の人が暮らす『旧世界』と、魔法が認知されている『魔法世界』だ。
『旧世界』の人間は『魔法世界』に存在せず、魔法の存在も知らない。
逆に『魔法世界』関係者のいくらかは、『旧世界』にも存在している。
昨日の、ローブの下衆がそれに当たる。
そして、エヴァンジェリンが掛けられ、その存在ごと作りかえられた呪い。覚醒したそれは吸血鬼の真祖と呼ばれる種。
吸血鬼の上位種にして不老不死の存在。一般的な吸血鬼の弱点とされる日光や流水を克服しており、吸血した相手を眷属にするか任意で選べる。不老不死からくる圧倒的再生能力、闇の眷属故の膨大な魔力から、『旧世界』『魔法世界』問わず最強種の1つとされている。
不老不死故に老いることも、死ぬこともない種。孤独を抱き続ける存在。その呪いを解く手段がない事も話す。
またその呪いを掛けた存在、すなわち造物主はまだ
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