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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第18話:解き放たれる魔弓
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「うぉわぁっ!?」

 吹き飛ばされた先で実体化したウィザードは、アーマーパージの衝撃で舞い上がった土煙を睨みつけながら立ち上がった。

「お〜、びっくりした。ったく、何だよそれ。アーマーパージって、どこぞの脱皮かライジングか? そう言えばロボットにもこんな事する奴いたな」

 ボヤキながら土煙の向こうを凝視するが、見えるものなど何もない。だがあの少女は現在文字通りの丸腰の筈だ。何しろ鎧と一緒に唯一の武器である鎖鞭も吹き飛ばしてしまった。その状態で攻撃はしてこないだろう。

 となると、この土煙に乗じて逃げられたか? 彼が半ば本気でそんな事を考えだし、僅かにだが警戒を緩めた………………その時である。

「颯人、危ないッ!?」
「ん? うをっ!?」

 突然背後から飛んできた奏の警告。それに疑問を抱くよりも前に背筋に走った寒気にウィザードは考えるよりも早くに行動を起こし、土煙の向こうから突如奇襲を仕掛けてきたメイジの攻撃をなんとか回避することが出来た。

 間一髪のところで危機を回避できたウィザードは、一度背後に下がり奏達と合流すると取り敢えず先程警告を発してくれた奏に感謝した。

「悪い、奏。助かったぜ」
「気にすんなって」
「しかしお前よくこの状況であいつの接近に気付けたな?」
「ん? あぁ、勘でね。なんとな〜く、さ」

 奏の返答を聞きつつ、土煙の向こうを見つめる。遂に追いついてきたメイジが、再び襲い掛かってくることを警戒しているのだ。

 だが、次の瞬間彼らの耳に、全く予想していなかった“歌”が入ってきた。

「Killter Ichaival tron」

「ん!? おい、これって────!?」
「嘘、だろ?」
「まさかッ!?」
「聖詠────?」

 ウィザード達が驚愕する中、視界を覆い隠していた土煙が風に流され晴れていった。

 そこに居たのは、先程からウィザードと奏の前に立ち塞がる1人の白い仮面のメイジ。そして──────

「歌わせちまったな? あたしに…………この雪音 クリスに!!」
「あれは…………」
「シンフォギア──!?」

 先程とは打って変わって、胸元と肩を露出させた赤いドレスのような姿をした、それでいて何処か奏達と似通った装備を身に着けた少女──クリスの姿があった。

「こうなっちまったらもう止められないぞ? お前ら全員…………覚悟は出来てるんだろうな!!」

 両手にボウガン型のアームドギアを持ちそう告げるクリス。それは即ち、新たな戦いの始まりのゴングでもあった。
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